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  • 蛍石、5年ぶり高値 事故で中国鉱山が操業停止
  • 2023年11月2日
  •  蛍石の国際市況が続伸し、約5年ぶりの高値となっている。主産地中国の浙江省などにある蛍石鉱山で10月に入ってから事故が相次ぎ、同国政府が安全対策を怠っているとして該当地域の鉱山に操業停止令を通達。杭州アジア競技大会の影響で、南部の鉱山も安全対策から操業停止させられていることもあって、供給が一気に締まった。この先、北部の鉱山も季節要因で年末にかけて操業を休止するため、さらに値上がりすることもありえそう。

     蛍石は昨年、カナダの年14万トン能力を持つ鉱山運営企業が経営破綻したほか、メキシコの主要鉱山もフォースマジュール(FM=不可抗力による供給不能)を宣言し、それぞれ休山。両国品のメインユーザーである欧米需要家らが中国品を手当てせざるをえなくなった。これにより自国内の需要不振で停滞していた中国品の輸出価格は、1トン当たり600ドル台(FOB)に引き上げられた。

     今年に入って以降も600ドル前後を維持。9月にはメキシコ鉱山の操業が再開されたものの、国慶節に入る前の駆け込み買い効果で620ドルまで上昇した。その後は実需不振で上値が重くなるとみられていたが、9月下旬から杭州のアジア競技大会開催に合わせて南部の蛍石鉱山が操業を休止。さらに10月、浙江省と内モンゴル自治区の蛍石鉱山で死者の出る事故が立て続けに発生。該当域の鉱山が操業休止に追いやられたため、供給が一気に締まった。

     10月末時点の価格は600ドル台後半まで上昇。18年以来約5年ぶりの高値となっている。この先、例年だと中国北部の鉱山も季節要因で翌春まで操業を休止する。こうした背景から、供給は一段と締まるため「需要動向によってはさらに値上がりする可能性がある」(市場関係者)と指摘されている。
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