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  • 住友化学、収益改善へ抜本改革 クラッカーの共同運営も
  • 2023年11月2日
     住友化学は1日、業績回復に向けた短、中長期の収益改善策を発表した。足下は「創業以来の危機的状況」(岩田圭一社長)との認識の下、現中期経営計画最終年度の2024年度に向けた短期では、飼料添加物メチオニンの能力削減や、資産売却などで5000億円のキャッシュ創出と500億円の収益改善を目指す。中長期視点での抜本改革にも着手したとし、国内石化やペトロ・ラービグ、ファーマ事業などで「聖域なき構造改革」を進め、京葉地区でのエチレン設備の共同運営の可能性も模索する。

     24年度のV字回復を目指すべく短期業績改善策としては事業再構築(1200億円)、在庫削減(1500億円)、投資厳選(1000億円)、政策保有株など資産売却(1500億円)で5000億円のキャッシュを捻出する。事業再構築は「赤字や不採算事業に加え、ベストオナーの立場から対象を拡大した」とし約30の案件を検討。メチオニンは18年度(25万トン)比で24年度までに3割の能力を削減。ディスプレイは大型LCD用偏光板で日韓台で3割のラインを停止し、日本では1ラインを有機EL向けに転換。「中国の設備の再編も検討する」。

    • 岩田社長
      岩田社長
     岩田社長は「従来の成長モデルには限界がある」とし、ケミカルとバイオ技術を軸とした新生スペシャリティケミカル企業へ脱皮すべく、24年央にも抜本的構造改革を盛り込んだ新中計を公表する。先駆けて取り組む石化事業では30年までにバイオエタノール由来のエチレン、プロピレン設備を設ける一方、京葉地区を念頭に「他社との合弁会社(JV)化による共同運営の話合いを始めたい」考え。

     改革の「一丁目一番地」と位置づけるラービグとファーマについて、前者は競争力を備える石化に対し、石油精製が鍵だとし、「サウジアラムコに主導権を持ってやってもらうことになるが、24~27年度の間に道筋がつけられれば成功」だと長期視点で取り組む考え。7月に北米の再編を完了した住友ファーマについては販売体制の刷新に期待を示しながら、「再編効果を見極めつつ、先端的な医療事業を今後の住友化学の成長の核にするかどうか、するならどうするか考えたい」と述べた。
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