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  • 三菱ガス化が新計画骨子 現中計目標に再挑戦
  • 2023年11月13日
    • 26年度目標は、現中計の目標数字が目安になる見込み
      26年度目標は、現中計の目標数字が目安になる見込み
     三菱ガス化学は2024年度から始まる新3カ年中期経営計画の骨子を公表し、現中計目標に再チャレンジする方針を掲げた。世界経済や半導体市場の鈍化で、現中計目標の未達を見込むが、24年度以降もポートフォリオ改革によって体質強化を進め、電子材料などの差異化事業を軸に利益成長を目指す。24~26年度は現中計期間の総投融資額2380億円を超える成長投資を計画し、とくに半導体関連に資源を集中投入する考えだ。

     現中計は最終23年度で売上高7300億円、営業利益700億円、経常利益800億円の目標を掲げる。ただ、足元の世界経済の冷え込みなどで23年度業績予想は、売上高8400億円で唯一の計画達成を見込むが、営業利益460億円、経常利益490億円はそれぞれ6割程度の達成率にとどまる見通し。

     次期中計のタイトルは「Grow UP 2026~『伸びる』『勝てる』『サステナブル』~」。市場成長、技術などの優位性、環境貢献の観点で優れる製品を差異化事業と再定義した。具体的には電子材料、半導体用超純過酸化水素、光学材料、メタノール、エネルギー資源・環境、ポリアセタール、メタキシレンジアミン(MXDA)、芳香族アルデヒド、ポリマー材料が差異化事業となる。

     現中計「Grow UP 2023」の後編の位置づけで、引き続きポートフォリオ改革とサステナビリティ経営の推進に取り組む。26年度目標は、現中計の目標数字が目安になる見込みだ。

     現中計期間も差異化事業に積極投資を行っており、これらの大型投資の刈り取りもテーマの一つとなる。22年度に半導体パッケージ用BT材料でタイ拠点の能力増強を図り、半導体用超純過水は中国工場を新設した。23年度は半導体用超純過水の台湾新工場、米国工場の増強を実施し、水島工場では芳香族アルデヒドの新規プラントを立ち上げる。24年度以降もオランダのMXDA新工場、タイでBT材料の能力倍増などが控える。

     24~26年度は現中計期間の総投融資額2380億円を超える成長投資を計画し、とくに半導体関連に資源を集中させる方針。足元、半導体市場が落ち込むものの、中長期では人工知能(AI)活用やデジタルトランスフォーメーション(DX)化などを背景に持続的成長が見込まれており、市場ニーズに合わせて随時投資判断を下す。

     R&Dではライフサイエンス系のテーマや事業にも全社的視点から取り組む考えで、組織体制の見直しも検討する。今年、イノベーションセンター「MGC コモンズ」(東京都江東区)を竣工し、来年には平塚研究所(神奈川県平塚市)の研究棟を新設するなど、R&D体制も大幅に充実させる。

     上期業績は円安効果や固定費削減などで上振れで着地し、通期業績も多くの化学メーカーが下方修正するなか、従来予想を据え置いた。中間決算と同時に取得総額100億円を上限とする自社株買いも発表したことで、翌日の株価は前日終値から11・6%増の2206円をつけ、年初来高値を更新した。
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