• 岩田会長
      岩田会長
     石油化学工業協会の岩田圭一会長(住友化学社長)は22日、都内で今年最後となる定例記者会見に臨んだ。業界各社から石化再編についての必要性の声が挙がり始めていることについて触れ、「カーボンニュートラル(CN)や資源循環などに対応した積極性を持った再編を考え、新たなビジネスチャンスにつなげるべきだ」と述べた。

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     岩田会長は10年前のナフサクラッカーの再編を振り返り、「当時は設備過剰に対応した守りの構造転換だった」と言及。高付加価値化に舵を切ったことで業界が競争力を得た側面もあるとしながら、「協会として何か主導するようなことはないが、守りではなく積極的な再編がこれからは必要ではないか」との考えを述べた。

     10月のナフサクラッカーの稼働率は82・6%と、昨年8月以降15カ月連続で90%台を割り込んだ。岩田会長は低稼働要因として(1)欧米を中心とした世界経済の減速(2)中国経済の回復鈍化(3)物価高による内需低迷-を要因に挙げながら「この先、内需回復がみられたとしてもアジア市況回復には時間がかかり、厳しい状況が続くだろう」と見通した。また、通年(1~12月)のエチレン累計生産量については「昨年(541万トン)並みかそれを少し下回る水準に落ち着くのではないか」と述べた。

     23年は世界経済の低迷をはじめ「厳しい年だった」と振り返り、「来年は多少なりとも上向いてくるだろう」と期待を示した。回復要因として、クラッカーの稼働率の底打ち感やポリオレフィン出荷の減少幅の縮小、車など工業部品向け出荷の堅調を列挙。他方、「中国の増強影響は来年も続き、中国の稼働率が上がればアジアの需給バランスは好転しないので、24年も数量面でも大きな回復は見込めない」との見方を披露した。
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