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  • ダウ、ネットゼロエチレン設備 投資1兆円規模に
  • 2023年11月30日
    • カナダアルバータ州フォートサスカチュワン拠点
      カナダアルバータ州フォートサスカチュワン拠点
     ダウは28日、カナダ・アルバータ州において、世界初のネットゼロエチレン設備の建設に関する「Path2Zero」プロジェクトへの最終投資決定を発表した。同プロジェクトでは同州フォートサスカチュワンにあるダウのエチレンとポリエチレン(PE)の生産拠点で、排ガスを水素に変換し、生産工程でクリーン燃料として使用する。また、二酸化炭素(CO2)を敷地内で回収し、隣接する事業者が輸送・貯蔵する。建設は2024年に開始し、第1フェーズの生産能力は27年に128万5000トン、第2フェーズとして29年に60万トンを追加し、段階的に稼働させる。

     ダウは同プロジェクトに、政府の奨励金や補助金を除き65億ドル(約9543億円)を投じ、世界的なエチレン生産能力の20%を脱炭素化し、PE供給量を約200万トン増加させる。30年までにバリューチェーン全体で約10億ドルのEBITDA(金利・税・減価償却費計上前利益)を生み出すと期待されている。

     ダウはリンデの技術を利用してクラッカーで排出されたガスを水素に変換し、これをクリーン燃料として工場炉に供給する。さらにCO2を回収、輸送、貯蔵することで、既存のCO2排出量を年間約100万トン削減する計画。

     西カナダに位置するフォートサスカチュワンは他地域に比べて天然ガスのコスト競争力が高く、エチレン生産の重要な原料であるエタンにもコスト優位がある。また同地域は既存のCO2輸送および貯蔵インフラにアクセスが良好なため、脱炭素化の実現に寄与するという。

     ダウは「脱炭素化と成長」戦略を推進しており、ジム・フィッタリング会長兼CEOは同プロジェクトを「脱炭素化を可能とし利益を生み出すことを示す先駆的な例」であると位置づけている。
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