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  • 住友化学、北米で新規除草剤 26年メドに投入
  • 2024年2月20日
    • ベーラントUSAの研究開発施設新施設「ノースアメリカンイノベーションセンター」
      ベーラントUSAの研究開発施設新施設「ノースアメリカンイノベーションセンター」
     住友化学は、北米の農薬事業を高成長軌道に乗せる。けん引役と位置づける殺菌剤で対象作物を広げながら拡販を図るとともに、2025年以降に大型製品化が期待できる新規除草剤を市場に投入し事業拡大につなげる。グループで化学農薬、天然物由来の微生物農薬や植物生長調整剤といったバイオラショナルを手がける競争優位性を発揮し、幅広いニーズに応えて需要を取り込み、市場シェア上昇を狙う。

     今後の収益の柱の一つと期待するのが新規除草剤『ラピディシル』。住友化学が開発した化学農薬で、少ない量で効果を素早く発現でき、広葉雑草やイネ科雑草など幅広く防除できる特徴がある。環境負荷低減につながると期待される。米国では登録申請ずみで26年に上市を見込む。

    • べーラントUSAのプリット社長
      べーラントUSAのプリット社長
     販売初年度から普及が「数百万エーカー分に達する販売を想定」(農薬米子会社べーラントUSA・カリフォルニア州、マット・プリット社長)する。さらに「ラピディシルと、残効性に優れる除草剤『フルミオキサジン』との組み合わせなどで潜在需要を掘り起こす」計画。長期的に、より広範な用途での展開を視野に開発を進める。

     他にも今後、新規の製品化や適用拡大を見込む。製品ポートフォリオを拡大し高成長を実現する。

     現状、住友化学の農薬事業で中核製品の殺菌剤「インディフリン」は北米でも20年に市場投入し、リンゴやピーナッツなどの病害防除用途で販売している。今後数年間で「適応作物を拡大し、成長の重要な原動力とする」。

     べーラントUSAの新製品としてトウモロコシ用除草剤「マーベリック」を米環境保護庁(EPA)に登録し、22年後半に上市。発芽後処理用で「ベーラント社にとって既存製品ではなかった新たな市場に進出した」。

     高成長の実現に製品開発や用途開拓が鍵を握るなか、さらに、外部機関との協業も進んでいる。ラピディシルでは用途別にバイエルと開発に取り組んでいる。それ以外にもコルテバ社と種子処理関連で提携している。

     米国で自社の研究開発も強化している。ベーラントUSAが20年に立ち上げたカリフォルニア州本社オフィスと併設の研究開発施設「ノースアメリカンイノベーションセンター」で、マーケティングや研究、サプライチェーン管理、規則対応などあらゆる部署が連携している。部門間を超えた協業を密にし、新製品開発から既存製品のライフサイクル管理を前進するなど幅広い活動を推し進めている。

     さらに、米国グループ会社間の協業も深化する。主に化学農薬の開発や北米でのグループ製品の販売を手がけるベーラントUSA、バイオラショナルの開発・製造を担うベーラント・バイオサイエンス(イリノイ州)、家庭・業務用殺虫剤などを展開するマクローリン・ゴームレイ・キング・カンパニー(MGK、ミネソタ州)が共同で製品開発に着手している。

     北米の農薬市場はグローバル大手の存在感が高いが、住友化学は米国で化学農薬から、天然物成分を用いるバイオラショナル、ボタニカルまでを手がける強みを発揮し、差別化製品の拡充で競争優位性を確立していく。
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