• 環境課題
  • つばめBHB、次世代アンモニア開発へ欧州市場開拓
  • 2024年2月26日
     アンモニアの次世代生産技術を開発するスタートアップのつばめBHB(横浜市)は、グローバル展開を見据えてこのほど、横河電機などから13億円の資金を調達した。グローバルネットワークやマーケティングなど多方面でのシナジー創出が狙いで、とりわけ、初の海外投資家となる独ヘレウスの参画により、触媒原料となる貴金属の安定調達をはじめ、クリーンアンモニア需要の高まる欧州市場開拓の足がかりを得た。

     シリーズCの第2ラウンドとして、横河電機、環境エネルギー投資、ドイツを本拠地として貴金属製品などを製造販売するヘレウスを引受先とした資金調達を実施したと発表した。調達資金は「ディープテックとしての研究開発、とくに競争力ある触媒開発や、立ち上がり始めたプロジェクトの運転資金などに充て、成長に向けアクセルを踏む」(中村公治社長)考え。累計資金調達額は76億円に拡大した。

     横河電機とはアンモニア製造モジュールの技術開発をはじめ、営業・マーケティングといった幅広い領域で協業を図る。横河のグローバル拠点網を活用し、オペレーションやメンテナンスでの支援も期待する。

     脱炭素に積極的な欧州においてクリーンアンモニアのニーズが高まるなか、ヘレウスとは、欧州における小規模アンモニア生産についての事業開発や触媒に使用する貴金属の安定調達などで連携する。ヘレウスのフィリップ・ウォルターエグゼクティブ・バイスプレジデントは「水素社会にアンモニアは欠かせず、巨大市場がより巨大になっていく」とし、出資した理由に、既存触媒向けの貴金属提供や地産地消の分散型のアンモニア事業モデル構築の潜在性の高さを強調した。

     つばめが描くビジネスモデルは、20年代は、年500トン、3000トン、5000トンといった「小型」や、1万~5万トンの「中型」のアンモニア合成設備のモジュールシステム販売と基本設計販売(ライセンス提供、触媒販売含む)でグリーン肥料製造など向けに年間数件の需要を獲得する。30年以降はアンモニア燃料や水素キャリアなどエネルギー向けの「高効率大量生産の大型」需要も取り込んでいく計画。

     初号機としてINPEXから年500トン設備を受注し、25年8月の商業生産開始を計画しているが、新たに、昨年9月には原材料としてのアンモニアの安定調達を図る東南アジアの海外法人向けに海外初号機を、また、同年12月には国内2号機として日本国内法人の受注を決めたことも公表。ともに、25年2月期に年産500トン設備の設計・調達(EP)を開始し、27年2月期の生産開始を目指す。

     中村社長は、「小型設備で実績を積み上げ、触媒の競争力を引き上げながら、27年といったタイミングで中型も受注したい。既存サプライヤーのアンモニアの生産撤退も進む中で、昨今は脱炭素の視点に加え、環境低負荷のアンモニアの内製化を望む声が高まっている」と話す。
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