• 日本化薬高崎工場に設置したガスコージェネレーションシステム
      日本化薬高崎工場に設置したガスコージェネレーションシステム
     JFEエンジニアリングは「多拠点一括エネルギーネットワークサービス(JFE-METS)」を日本化薬高崎工場に導入し、同工場に熱と電力を供給するとともに余剰電力を日本化薬の国内12拠点に融通するサービスを開始した。JFE-METSの導入は今回が3件目で、化学プラント向けとしては初めて。停電時にもエネルギーを供給することができるBOS(ブラックアウトスタート)機能を初めて採用し、連続運転を前提とする化学プラントにも同サービスが有効であることを示した。

     日本化薬高崎工場は基礎的な抗がん薬の製造拠点で、市場シェア80%を超える品目も多数製造している。市場からはジェネリック医薬品(後発薬)の安定供給が求められており、同工場では抗がん薬の代替生産も行っている。毎年、薬価が引き下げられていることから、高崎工場では収益改善と生産能力拡大が課題となっており、エネルギー調達の効率化を図るとともに新棟建設に着手している。

    • 竣工式のテープカット
      竣工式のテープカット
     今回のJFE-METSは、JFEエンジニアリングが高崎工場内に大型ガスコージェネレーションシステム(発電出力7・8メガワット、蒸気発生量3・1トン/時)を建設・運用し、電力と熱(蒸気)を15年間供給する内容となっている。発電時に発生する排熱を蒸気として有効利用することにより、有効エネルギー利用率は約85%を達成することができ、大型火力発電所の約40%に比べはるかに高い効率を実現する。

     日本化薬は、高崎工場の余剰電力を厚狭工場、東京工場、上越工場など12拠点で融通を受けることで電力の全体最適化を図ることができ、全社規模でコストダウンが可能になる。コージェネシステムはJFEエンジニアリングが所有・運営・燃料調達するため、エネルギー業務のアウトソーシングを実現する。

     二酸化炭素(CO2)排出削減効果は、高効率コージェネシステムの導入により高崎工場で23年度比18%、さらにJFEエンジニアリング子会社の新電力・アーバンエナジー保有の非化石電源を活用することで約45%もの削減効果が得られると試算している。

     JFEエンジニアリングにとってJFE-METSの導入は日清オイリオ、ハウス食品についで3件目。広域でのサービス提供となるため、計画から導入決定、設備建設、稼働開始まで時間を要するが、着実に実績を広げている。とくに今回はBOS機能を採用したことで、系統からの電力が遮断された時も給電することができ、安定操業を可能にしたことは、連続プロセスによってプラントが稼働している化学プラントに対してアピールポイントとなり得る。

     日本化薬の涌元厚宏社長は「高崎工場は生産活動に多くの蒸気を使うためガスコージェネレーションと相性がよく、停電時でも稼働確保できることを評価した」と導入の理由を語った。

     またJFEエンジニアリングの福田一美社長は「初めて化学企業へ導入した意義は大きい。今後もエネルギー効率を最適化させたいとする製造業のニーズに応えていく」として事業拡大に取り組んでいくとした。
いいね
電子版無料トライアル

  • ランキング(エンジ・機械)