•  【シンガポール=石川亮】トクヤマはシンガポールで、半導体製造関連材料の安定供給体制を強化した。現地法人でフォトレジスト用現像などに使うテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)の処理能力を倍増する設備投資を2024年に実施しており、「向こう5年間の需要増に対応できる供給体制を整備した」(トクヤマシンガポールの松田大悟社長)。同国国内向けを中心に販売数量も好調に推移しており、中長期的な需要成長をシェア拡大も含めて取り込む。

     トクヤマシンガポールはメーカー機能と商社機能の両方を持つ。メーカー機能では、TMAHと精密洗浄・水切り乾燥に使う高純度イソプロピルアルコール(IPA)を手がけ、いずれも徳山製造所(山口県周南市)で製造したものをシンガポールで精製し、小分け・充填してシンガポール島内を中心とする半導体メーカーに供給している。昨年、TMAHでクリーンルームを増設。充填能力を従来に比べて2倍以上にした。

     TMAHは半導体ウエハーに回路を形成するフォトリソグラフィ工程で使われる薬剤。トクヤマ製品は金属イオンや塩素イオンなどの不純物が極めて少ない高純度品質が売り。配線パターンがシャープになり微細な加工にも適する。日本、シンガポールのほか中国、台湾にも出荷拠点がある。

     松田社長によると、足元の販売も順調に拡大している。海外製競合品の流入に対し、現地生産している供給安定性を強みにシェア拡大にも成功したという。供給先の半導体メーカーの現有設備や直近の設備投資後の能力がフル稼働に向かう今後5年間の需要増に対する準備は整ったかたち。

     このほか、高純度IPAは東南アジアではトクヤマが唯一のメーカー。TMAHとともに、需要増に対し、現地生産する即応性の強みが大きい一方、安定供給体制の強化が必須となるため、TMAHを対象に投資した。
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