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創業80周年を迎えた川研ファインケミカル 創業80周年を迎えた川研ファインケミカル これまでの歩みと今後の展望 これまでの歩みと今後の展望

川研ファインケミカルはきょう10月1日、創業80周年を迎えた。創業者・川上八十太博士の研究精神を受け継ぎ、界面活性剤や水素化触媒といった技術を磨きながら、独自の発想でものづくりに挑戦してきた。ライフ事業では幅広い界面活性剤を取り揃え、主にシャンプーなどのヘアケア製品向けに強みを持つ。ファイン事業では、水素化触媒や自社の触媒を活用した医薬品などの受託製造、電子材料など多様な分野の製品を展開する。変化の激しい時代で勝ち抜くために、新しい分野への挑戦、“KAWAKEN Chemistry”を生かした価値創造に力を入れていく。藤井保社長にこれまでの歩みと今後の展望を聞いた。

聞き手
佐藤 豊
化学工業日報社社長
代表取締役社長
藤井 保
川研ファインケミカル株式会社 代表取締役社長 藤井 保 氏

創業者が築いた堅実な事業基盤と
激しい時代を生き抜くための挑戦と創造

創業者・川上博士が築いた事業基盤

■創業80周年おめでとうございます。

 激動の時代を乗り越え、会社を支えてくださった先達や、日々尽力している社員の努力があったからこそ、小さな会社から売上高約180億円、従業員数400人規模に成長できたと考えています。何よりも、当社の製品をご愛顧いただいているお客様の支えにより80周年を迎えることができました。心から感謝申し上げます。

80年のあゆみ

ayumi

■これまでの歩みについて。

 川上博士は、花王石鹸(現花王)の研究部長を長年務めた人物で、戦前から界面活性剤や石鹸の分野で非常に有名な方でした。創業時は化学コンサルティングを生業としていましたが、徐々に自社でものづくりを行うようになったそうです。1950年代には、非イオン界面活性剤「アミゾール」を開発し、シャンプー向けの優れた増粘剤として会社の成長を牽引しました。また、油脂事業から派生し、水素化反応に必要な触媒の製造・販売を始めました。

 74年には最終商品の化粧品を製造する四ツ葉油化を子会社化し、事業の幅を広げました。国内にとどまらず、シンガポールに販売子会社、インドには現地企業との合弁で生産拠点を構え、界面活性剤のグローバル展開にも取り組んでいます。川上博士の経験・技術・人柄から始まったビジネスが数珠つなぎ的に発展し、事業拡大を支えてきました。

KAWAKEN SINGAPOLE PTE. LTD.(シンガポール)

KAWAKEN SINGAPOLE PTE. LTD.(シンガポール)

幅広い界面活性剤と水素化技術の進化

■ライフ、ファインの2本柱で事業を展開されています。

 ライフ事業では、他社にはない幅広い種類の界面活性剤を取り揃えていることや、それらの組み合わせによる提案力に強みがあります。コロナ禍以降は、マス市場で高価格帯シャンプーの需要が高まり、当社のアミノ酸型界面活性剤「アラノンALE」が広く採用されています。アラノンALEは肌や髪に優しいだけでなく、粘度を上げやすく、洗髪時の指通りが非常に良いという特徴があり、中国市場での展開にも力を入れています。四ツ葉油化では、環境負荷低減を目指し、固形シャンプーの開発・販売に取り組んでいます。

 ファイン事業の強みは水素化技術にあります。水素化触媒とともに、水素化技術や装置を保有し、医薬品受託製造におけるGMP管理まで対応可能です。現在は、お客様のより効率的で環境に優しいプロセスに貢献するため、フロー合成用の水素化触媒の開発を加速しています。アルミニウム化合物関連は、新聞インキ用途の需要減少にともない電子材料分野への展開を進めています。とくに、スマートフォンのディスプレイなどに使われるウィンドウフィルム用途として、アルミナゾルの引き合いが増えており、販促を強化していく方針です。

埼玉工場

埼玉工場

福井工場

福井工場

静岡工場

静岡工場

技術力で〝真似できない〞製品開発へ

■藤井社長は2024年6月に就任されました。

 就任時に、①高収益体質への転換、②現場力の向上と〝技術の川研〞の復活、③DX化の推進、④100年存続できる会社を目指す、という4つの重点施策を打ち出しました。とくに「〝技術の川研〞の復活」に力を入れていきたいと考えています。ライフ事業ではある程度、新製品の開発サイクルが確立できている一方、ファイン事業では受託製造がメインとなっていることに危機感を抱いています。受託企業ではなくメーカーとして、常に新しいことに挑戦し、他社が真似できない製品で商売することが私の夢です。

対談風景

■今後の展望について。

 これまでは10年という長期的な経営計画を立て、細かな数値目標を設定してきました。しかし、26年度から始まる次期ビジョンでは、数値に縛られず、当社としての存在意義や将来像を社員と共有する〝パーパス経営〞を重視する方針です。ビジョンには、〝KAWAKENChemistry〞の強化も盛り込みます。90周年、100周年に向けて、当社製品をご愛顧いただいているお客様である「川研ファン」の皆さまに評価され続ける企業でありたいと考えています。

所在地

〒103-0012
東京都中央区日本橋堀留町2-3-3

事業所・工場

  • 本社
  • 大阪営業所
  • 埼玉工場
  • 福井工場
  • 静岡工場

川研グループ会社

  • 四ツ葉油化株式会社
  • 川研総合サービス株式会社
  • KAWAKEN SINGAPOLE PTE. LTD. (シンガポール)
  • KAWAKEN STERLING SURFACTANTS PVT. LTD.(インド)

事業内容

  • 界面活性剤
  • 化粧品基剤
  • 機能性材料
  • スペシャリティケミカルズ
  • 触媒等の製造・販売
  • 受託研究
  • 受託生産
    • 医農薬中間体
    • 高圧水素化反応
    • EO/PO付加反応
    • 化粧品OEM 等