•  INPEXと大阪ガスは24日、世界最大級のメタネーション実証設備の本工事に着手したと発表した。同プロジェクトはINPEX長岡鉱場越路原プラント(新潟県長岡市)から回収した二酸化炭素(CO2)を原料に合成メタンを製造するもので、生産能力は400N立方メートル/時。2030年には海外立地を候補に商用プラント立ち上げを検討する。

     設計・調達・建設(EPC)は、反応器パッケージがDaigasガスアンドパワーソリューション、連絡配管工事は植木組、ユーティリティ含めその他設備一式を千代田化工建設が実施する。稼働開始は25年度中の予定。

     ガス田の随伴ガスから得るCO2と、液化水素を利用した水素を反応させてメタンを合成し、INPEXの都市ガスパイプラインへ注入する。プロセスの基本性能や触媒の長期耐久性を評価する反応シミュレーション技術開発、大規模メタネーション反応プロセス技術開発、商用化に向けたスケールアップ検討などに取り組む。

     INPEXは米国、アブダビ、豪州で商用化検討を行う。30年には1万N立方メートル/時、35年には6万N立方メートル/時規模への拡大を想定している。大阪ガスは触媒開発に技術の蓄積があり、今回の大規模プラントで実証したうえで商用化につなげていく考えだ。

     24日開催した起工式において、INPEXの滝本俊明取締役常務執行役員は「当社の事業拠点が集積している新潟県で大規模メタネーション設備の技術検証を行う。大阪ガスと協力して海外で商用化を検討していく」と語った。また、大阪ガスの後藤暢茂常務執行役員は「30年に都市ガスに合成メタン1%導入は義務。国内外で十数件の案件を検討している」と述べた。
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