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  • 日置電機、インピーダンス計測システム受注
  • 2023年10月25日
     日置電機は、産業技術総合研究所福島再生可能エネルギー研究所(産総研FREA)向けに水電解装置やMEA(膜電極接合体)のインピーダンス計測を行うシステム「ALDAS-E」(写真)を受注したと発表した。水電解装置や水電解セルを社会実装レベルの大電流で測定できるシステムで、水素社会の実現に向けて大きく前進することが期待される。

     ALDAS-Eは、大規模な水電解装置やセルを実際の動作条件下でインピーダンスを計測できるもので、特性評価や運転中の状態監視、セルの劣化診断に利用することができる。従来ラボレベルでの小型セルでの計測方法はあったが、大電流での測定は難しく、計測システムはなかった。

     広い電圧・電流測定範囲と高い耐ノイズ性を備えているのが特徴で、このため実用的な電流・電圧範囲で動作する水電解装置/セルスタックの評価が行える。リチウムイオン電池のAC-IR計測で培ったインピーダンス測定技術とインバーターなどのパワーエレクトロニクス評価で培った高精度電流測定技術を応用することで実現した。

     水電解は、水に電流を流すことで水素を作る技術で、水電解装置は再生可能エネルギー由来のグリーン水素製造には欠かせない。日本は水電解に関する技術は世界トップクラスだが、これまで社会インフラとして使用できる大型水電解装置の評価技術が確立されていなかった。

     産総研FREAでは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)グリーンイノベーション基金「水電解装置の評価技術の確立/再生可能エネルギーシステム環境下での水電解評価技術基盤構築」のプロジェクトにおいて水電解装置の評価基盤設備の構築を検討している。
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