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  • 日輪、国際輸送事業を拡大 英中2社と提携
  • 2023年10月25日
    • 国内化学メーカーなども顧客に持つ英バルクテイナーグループ
      国内化学メーカーなども顧客に持つ英バルクテイナーグループ
     日輪は、ISOタンクコンテナによる国際輸送事業で業容拡大を加速する。タンクコンテナ約1万200基を世界で運用する英バルクテイナーグループと9月に業務提携を締結し、欧州やインド向けの化学品輸送を強化した。中国、東南アジア向けは2021年に業務提携した恒成物流が担っており、さらに6月には別の中国系物流会社と業務提携し米国、南米、豪州向けを整えた。全方位でワンウェイ輸送体制を確立して荷主の輸出需要を獲得する。

     日輪は、国内で化学品を主に輸送する運送事業者。ローリー車両を使用した運輸事業のほか鉄道を利用した通運事業やタンクコンテナによる国際輸送事業、タンクターミナル事業などを手がける。国際輸送事業では上海にある現地法人を活用した日本~中国間の輸送を14年に開始している。19年にはタイ、台湾、韓国の現地企業と業務提携したほか、約4000基のタンクコンテナを保有する中国・青島市の恒成物流と21年に業務提携を締結した。同事業の売上規模は運輸、通運に次ぐ3番手になる。

     バルクテイナーは、英国内で陸上運送やコンテナデポを手がける非船舶運航事業者(NVOCC)。世界中に支店・代理店網があり日本では東京、大阪を中心に月10~20基を運用している。タンクコンテナに衛星利用測位システム(GPS)を取り付けたトレーサビリティーサービスなども提供している。

     日輪はバルクテイナーが持つ欧州やインド向け輸送における価格競争力を生かし、主に高付加価値のある化学品をターゲットに荷主から輸出需要を獲得していく。日本向け輸送で空になったバルクテイナーのタンクコンテナを日輪が内部洗浄し、新たに顧客の内容物を入れ輸送地に送り届ける。送ったコンテナはバルクテイナーが代理店契約を結ぶ現地の物流会社が日本へ回送する。

     一方、米国や南米、豪州向けの輸送体制も整えた。新たに業務提携した中国系物流会社は上海市にあり約2000基のタンクコンテナを保有し、日本では東海地方を中心に月10基を運用する。

     日輪は米国、南米、豪州向け輸送に強みを持つ同社と業務提携したことで、顧客が要望する仕向け地へのワンウェイ輸送体制を全方位に拡充させた。中国、東南アジア向けの輸送はこれまで通り恒成物流が行う。
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