物流分野にRFIDタグなど自動認識ソリューションを提供するサトー(東京都港区)はこのほど、QRコードと位置測位技術を活用してトラックドライバーの労働時間を削減するシステムを構築した。車両にQRコードを貼り付けることで構内の受付業務を省力化し、トラックバースに車両の位置情報を取得するアンテナを設置することでドライバーの待機時間を短縮し総労働時間の削減につなげる。
2024年4月から法令上でドライバーの労働時間が制限され、全体の輸送量が減少する「物流2024年問題」への対応が迫っている。一方で、待機時間は1日平均で1時間18分になり長時間労働の要因の1つになっている。
同システムでは、まずトラック車両にID情報を保有したQRコードラベルを貼り付け、入退場時に固定したスキャナーの前を通過するだけで構内受付が完了する。これまではドライバーが下車し手書きで行っていた受付業務を省力化した。
また、構内に入場したドライバーへ位置情報を通知するタグを配布することでバースでの荷役状況をリアルタイムに可視化できる。これにより時間を要している原因を把握し対処することで回転率向上につなげる。
さらに取得したドライバーの作業時間に基づきバースの予約管理にも活用できる。これにより来場車両の分散化に加え、受け入れる工場側で予約に合わせた出荷準備ができるようになる。
サトーのシステムを導入した三星金属工業(新潟県燕市)は、年間1000時間となるドライバーの待機時間を削減した。