「サステラ」を製造するプリミエント社工場
カネダは、植物を原料とした工業用の溶剤をAI(人工知能)データセンターの冷却液向けに提案する。従来の化石燃料由来のプロピレングリコール(PG)製品に比べ、製造から出荷までに発生する温室効果ガス(GHG)の量を8割以上削減できる利点を訴求する。米食品医薬品局(FDA)の認証品で安全性も備える強みを生かし、持続可能な開発目標(SDGs)への対応ニーズをつかむ。
米プリミエント・コベーション社が工業用トウモロコシを原料に作る1,3-プロパンジオール(1・3PDO)を「サステラ(Susterra)PDO」の商標で、AIデータセンターの冷却液向けに展開する。カネダは工業用途でサステラの日本の総代理店を務める。
大量のデータを高速に処理するAIデータセンターは発熱量が大きく、空気ではなく液体を循環させて熱を逃がす設計の導入が広がる。熱媒体として化石燃料由来のPGなどが広く使われるが、サステラに置き換えることで製造から出荷までの間に生じるGHG排出量を約86%削減できる利点を訴求する。
プロピレングリコールと比べ低温時の粘度が低く、データセンターの冷却効率を向上できる。FDAの認証を取得ずみで、食品や飲料などの工場に使う熱媒体にも適用可能な安全性も強み。従来用途である塗料やインキの溶剤としての提案も引き続き力を注ぐ。
調査会社アイマークは、日本のデータセンター冷却市場が25年から33年にかけ年平均成長率(CAGR)11・6%で伸長すると見通す。都市部では、限られたスペースで高い処理能力を発揮する高度な冷却技術が求められる。自治体が掲げるカーボンニュートラルの目標達成に向け、エネルギー効率が高く低炭素なソリューションの引き合いも高まるとみられる。
カネダは、食品や化粧品、医薬品や産業用途など幅広い業界向けに油脂などを展開する。1905年に東京都台東区で油問屋として始まり、時代や取引先のニーズに応じて商流を構築してきた。プリミエント社は、長年の事業を通じさまざまな業界と信頼関係を持つカネダに日本における顧客の開拓を託す。