EP-4棟に反応釜を10基導入した
<ケミマテ2025>
有機化学品のCDMO(開発・製造受託企業)、神戸天然物化学(神戸市、真岡宅哉社長)は主力の出雲工場(島根県出雲市)で機能材料の新製造棟「EP-4」を建設した。投資額は約28億円。国内化学企業のAI半導体向け新材料開発や試作・量産に向けた動きが相次ぐなか、先行投資によって新製造棟を設け、半導体材料など高付加価値品の受託案件獲得につなげたい考えだ。あす27日に竣工式を開催する。今後、設備の性能試験を実施し、来年1月の稼働を計画している。
同社の出雲工場は、原薬・医薬中間体および治験用原薬を製造する第一工場、ディスプレイ材料や半導体材料などの機能材料を手がける第二工場で構成される。社員数は第一、第二合わせて127人。内訳は製造部門80人(うち機能材料部門25人)、品質部門42人(同11人)、業務共通部門5人となっている。
今回、敷地面積約1・7万平方メートルの第二工場のなかに新製造棟「EP-4」を建設した。鉄骨造2階建てで、建築面積は640平方メートル、延べ床面積約は1500平方メートルで、同社最大のプラントになる。
EP-4棟には、反応釜を10基導入した。各2000~5000リットルの容量で、ステンレス製(SUS)を2基、グラライニング製(GL)を8基設置した。半導体材料などの高付加価値の電子材料を受託生産できるようにクリーンルームを完備した設備も導入した。
とくに半導体材料の生産では、高度な金属不純物管理が求められる。同社は現在までに純度(金属不純物含有量)で10~20ppb(10億分の1)レベルの実績があるが、将来的には1ppbレベルを目指していく方針。業界基準を上回る品質管理を実現することで、高付加価値品の受託案件獲得につなげていく考えだ。
同社のCDMO事業の強みは、研究開発からスケールアップのプロセス開発、商品化、安定生産までを一括して受託できる点だ。同社は今年創業40周年を迎えたが、過去には年間800件、大型プロジェクトが増えてきたここ数年でも年間100~150件の案件を受託し続けている。「すべての案件でお客様から直接指導を受けている。それを通じて当社にもノウハウが蓄積されてきた。どのような案件がきてもお客様の要求水準を超える仕事ができるのが当社の強みだ」(同社幹部)という。
国内化学メーカーは資本効率改善に向け、自社生産設備などの固定資産を圧縮し、外部リソースを活用する場面が増えている。生産部門だけでなく人手不足の研究開発部門にも波及している。同社はこうした化学企業のニーズを汲み取り、研究開発支援を含めた最適なソリューションを提案することで事業拡大を目指す。半導体材料を中心とする電子材料分野は製品寿命が短く、需要の変動が激しい。提案力を強化し、継続的に顧客開拓を進める。