• 経営
  • 大陽日酸、バルクガス価格改定は顧客ごとに協議
  • 2026年1月15日
  •  日本酸素ホールディングス(HD)グループの大陽日酸は、炭酸ガスを含むバルクガスの価格について、一律の改定は行わず、顧客ごとの提供価値に応じた個別協議を重視する方針を打ち出した。「モノではなく価値を届ける」企業姿勢を前面に掲げ、製品の価値と同様に、価格も日常的な顧客対話に基づき判断する。業界として、エネルギー価格高騰時などに限られない定期的な価格協議を標準とする流れをリードしたい考えだ。

     大陽日酸は昨年、シリンダーガスの値上げを業界に先駆けて発表し、厳しい労働環境や配送体制の改善を訴えた。一方、バルクガスは顧客との日常的なコミュニケーションが可能で、用途や価値が顧客ごとに異なるため、一律改定は適さないと判断した。「例えば同じ窒素でも、お客様によって役割は異なり、当社が提供する価値も千差万別」(永田研二社長)。同業が一律値上げを打ち出すなかでも、必要に応じて個別に協議を進める方針だ。

     空気分離装置から得られる酸素や窒素はメーカー間で基本的に同じ。単なるガス供給では差別化が難しい。大陽日酸では、ユーザーの課題解決につながる活用提案を「ガスアプリケーション」と位置づけ、競争力の重要な源泉としてきた。最近では、日本軽金属、日軽エムシーアルミとともに、燃焼に使用する空気に酸素を富化することでアルミニウム溶解プロセスの低炭素化を実証している。

     今年度を最終年度とする日本酸素HDの中期経営計画のもと価格政策を強化。産業ガスの価値を正しく説明する取り組みを進め、顧客の理解を得ることで事業の収益率を改善した。バルクガスは、顧客ごとの提供価値やニーズに向き合うビジネスモデル。価格改定についても、その過程で協議する方針で、業界全体に、エネルギー価格の高騰時などに限らない「定期的な価格協議が常識となる」(永田社長)流れを促したい考えだ。
いいね
電子版無料トライアル

  • ランキング(経営)