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  • エクソン、シンガポール分解炉の第1系列停止 エチレン90万トン減
  • 2026年1月22日
    • エクソンモービルのシンガポール製油所・化学統合拠点
      エクソンモービルのシンガポール製油所・化学統合拠点
     米エクソンモービルは年内に、シンガポールで運営するナフサ分解炉2系列のうち1系列を停止する。業界関係者によると、併せてポリオレフィン設備も停止する見通し。エクソンは昨夏、中国南部・恵州(広東省)で大型エチレン設備を立ち上げており、域内の供給過剰などを受けプラントのグローバル配置を再構成するとみられる。東南アジアでは昨年、JGサミット(フィリピン)がエチレンセンターの運営を停止した。今後も同様の動きが続く可能性が高い。

     エクソンモービルの担当者は化学工業日報の問い合わせに対し「慣例的に憶測や噂に対してコメントしない」と答えた。

     停止するとみられるナフサ分解炉は、2001年にジュロン島で稼働した第1系列。エチレン生産能力は年90万トン。停止後、シンガポールのエチレン総能力は約300万トンとなり、商社筋によると内需とほぼバランスする(プロピレンは輸入ポジションが継続)。

     エクソンは現地第1エチレン停止にともない、連結するLL/HDPE併産設備(年60万トン)と、ポリプロピレン設備(40万トン)も停止する見通し。

     エクソンは昨夏、中国恵州でエチレン年160万トンの大型分解炉と誘導品ポリオレフィンの商業運転を始めた。シンガポール拠点は同社にとって、アジア太平洋地域における唯一の製油所・化学統合拠点だが、第1エチレンの停止は恵州プラント立ち上げにともなう措置とみられる。シンガポール品の中国品への一部製品切り替えも始まっているもよう。

     また同社は中期的に、恵州(2期)、米テキサス州、インドネシアの3カ所のいずれかでエチレン投資を検討している。

     シンガポールのエチレン生産者はエクソン、住友化学系のシンガポール石油化学(PCS)、チャンドラアスリ・パシフィック(インドネシア)子会社・アスターケミカルズ&エナジーの計3社。

     このうちアスターは昨年8月末、ブコム島で運営するエチレン設備(年110万トン)についてフォースマジュール(不可抗力による供給不能)を宣言。当初は昨年末までの稼働再開を目指していたようだが今月半ば現在、稼働再開にいたっていない。早くても今年3月頃にずれ込む見通し。

     東南アジアでは24年初頭、収益性低下を理由にJGサミット(フィリピン)がナフサ分解炉の運営を停止。韓国ロッテケミカルは、昨年インドネシアでエチレンセンターを立ち上げる一方、マレーシア子会社・ロッテケミカルタイタンの売却を検討している。域内では今後も石化業界再編が続きそうだ。(中村幸岳)
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