• 大型特集
  • 化粧品総合特集 OEM/ODM 日本コルマー、茨城県内に新工場を建設
  • 2023年10月23日
  •  化粧品ODM/OEMの国内トップメーカーである日本コルマーは、充実した研究開発体制と特定の取引先や販売チャネル、品目、生産拠点に偏らない分散経営を推進し、業容拡大を図っている。2024年3月期は、当初売上高570億円を掲げていたが、目標売上高を620億円に上方修正し、20期連続の増収を見込む。次代を見据えた設備投資も積極的に行うことで、ブランドオーナーの要望に迅速に応える生産体制をさらに強化する。

     同社の強みは、研究員約200人を擁する業界屈指の研究開発体制にある。工場併設の3研究所では、化粧品ブランドオーナー向けの製品開発や設計・提案などを行い、さらに2カ所の独立した研究所では長期的視点でのユニークな新製品開発を推進するほか、エビデンスの取得、安全性評価・有用性評価・新規原料開発なども行い、顧客から高い評価を獲得している。

     生産拠点としては、国内が7工場・5研究所を持ち、海外では中国(蘇州2工場、杭州1工場)、さらにベトナム(ドンナイ省)にも新工場を22年に稼働を開始、グローバル展開を推進。今後はベトナムを拠点に東南アジア諸国連合(ASEAN)への展開も期待される。

     設備投資も積極的だ。茨城県の結城工場近隣にスキンケアやヘアケアなど液体化粧品を一貫生産できる新工場を建設する。今年7月に着工し、24年10月の完工、稼働時期は25年春を予定。同社の国内工場としては8拠点目で、国内最大規模となる。供給能力の拡大やBCPの強化、また自動化装置も導入することで生産性に優れた拠点を目指す。顧客ニーズに迅速に応える生産体制を構築する考え。

     一方で、近年はSDGs(持続可能な開発目標)にも注力。今年から取引先に採用をお願いしている封緘シールを「剥離紙」からリサイクル可能な素材で設計された「リサイクル専用台紙」に置き換えた。資源循環を推進することで、カーボンニュートラルや廃棄物削減につなげていく方針だ。
いいね

  • ランキング(特集)