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  • 化粧品総合特集 日光ケミカルズ、コーヒー粉で新製品上市
  • 2023年10月23日
  •  日光ケミカルズは、国内外7社で構成されるNIKKOL GROUPの中核企業としてコロイド化学や皮膚科学を基に、化粧品原料などの開発・販売を行っている。

     サステナビリティ製品の開発にも積極的に取り組む同社。今年は、抽出後のコーヒー粉(コーヒーグラウンズ)をアップサイクルした化粧品原料2品を上市した。コーヒー種子エキスを含有する機能性油剤「NIKKOL Cafe extract oil UC」と、スクラブ剤「同scrub UC」を展示会で初披露したところ、製品サンプルの依頼がそれぞれ200件を超える大きな反響があった。化粧品でもサステナビリティが重視されるなか、トレンドに合致した素材として売り込みをかける。

     機能性油剤の同extract oil UCは、種子エキスの抽出溶媒にトリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルを用いており、美白作用や抗酸化作用を確認している。一方、スクラブ剤の同scrub UCは、多孔質性を有するコーヒーグラウンズの特性を生かしている。アンモニアをモデル物質にした試験では、においに対する高い吸着効果があることを示した。

     これらの製品が反響を生んだ背景には原料の機能性だけでなく、資源循環のプロセスが確立されている点にある。製品開発のスタートは世界的に著名なバリスタとして知られる粕谷哲氏との出会いからだという。また、コーヒーグラウンズはコーヒーの総合企業であるキーコーヒーが供給する体制を構築。異業種との連携により、個社ではなしえない新しい価値を見いだした。

     さらには、製品の売り上げの一部は、粕谷氏が行う支援活動に活用される。粕谷氏は従来より、コーヒーの産地や生産者などに対する支援活動を熱心に行ってきた。支援というかたちで還元することで、サーキュラーエコノミーシステムを実現していく方針だ。
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