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  • 化粧品総合特集 レゾナック、ビタミン誘導体など増強
  • 2023年10月23日
  •  レゾナックが手がける化粧品原料のビタミン誘導体が堅調に推移している。コロナ禍の落ち着きにともなう化粧品需要の回復により販売が伸長。川崎事業所(川崎市)では2025年春ごろまでに、ビタミン誘導体を中心とした化粧品原料の生産能力を最大5割程度まで引き上げる計画だ。供給体制を整え事業拡大につなげていく。

     同社の化粧品原料は6つの製品ラインアップを持ち、主に基礎化粧品用途で展開している。マスク着用ルールの緩和やコロナの感染症法上の位置づけが5類に移行したことなどにより化粧品市場は勢いを取り戻しており、主力のビタミンC誘導体「アプレシエ」、ビタミンE誘導体「TPNa」を中心に販売は好調だ。

     生産設備の追加導入による川崎事業所の増強は23年中に終える予定だったが、資材の不足などで25年の春ごろまで延期となる見込み。アプレシエやTPNaを中心に生産能力を増強する。

     アプレシエは肌への高い浸透性を持ち、ビタミンCを効率よく皮膚内部まで届ける。メラニン産生の抑制やシワの改善作用なども兼ね備える。TPNaは化学的に安定な粉体で十分な水溶性を有し、ニキビの改善、保湿効果、メラニン産生抑制等を発揮する。

     両商品とも、十数年以上の販売実績に裏打ちされた「信頼性」と、多様な効果・効能を持つ「多機能性」が強み。国内外に多くの顧客を抱えている。

     最も新しい化粧品原料として、20年にイノシトール誘導体「モイストール」を発売している。肌の保湿成分であるセラミド(角層細胞間脂質)の産生を促し、肌の保湿効果やバリア機能を高める効果がある。

     長年の化粧品原料ビジネスで培った知見を基に、原料を供給するだけでなく、処方のサポートを行うことも可能だ。顧客の製品開発期間の短縮などに貢献する。
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