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  • 化粧品総合特集 日油、原料とODMでシナジー
  • 2023年10月23日
  •  日油は、豊富なエビデンスを有する化粧品原料とそれらを生かしたODM(相手先ブランドによる設計・生産)の両輪で業容拡大を図る。今年4月に組織改正を行い、機能材料事業部にライフ・ヘルスケア営業本部を新設。同営業本部の傘下に化粧品原料の営業を行うヘルスケア営業部、ODM提案を行うH・B営業部を設置した。原料とODMが従来以上にシナジーを発揮できる体制を整え、ビジネス拡大につなげていく。

     生体適合性ポリマー「リピジュア」の歯磨きや洗口液などのオーラルケア用途への提案を強化する。リピジュアはアイケアや医薬品、化粧品を中心に採用実績がある機能素材だが、オーラルケア分野に向けて、細菌付着やバイオフィルムの形成抑制など多くのエビデンスを強みに攻勢をかける。

     バイオフィルムの形成抑制では、リピジュアが歯に吸着することで早期定着菌の滞留を抑制することを確認。仮に早期定着菌が付着した場合でも、口腔内細菌の共凝集を抑制できる發菌効果を有するのが特徴だ。製剤での評価でも、菌付着の抑制や口臭防止効果などさまざまな機能を確認している。

     化粧品原料としては水溶性保湿油「ウィルブライドBS-03」を開発。植物由来のブタノールの誘導体で、「被膜感」と「さっぱり感」を両立したテクスチャーが特徴。皮脂によるテカリを抑制するため、男性用化粧品への配合にも適している。

     こうした原料を強みに、ODM展開も強化していく。同社子会社で化粧品製造を手がけるジュアンビューティは、知多工場に新たな充填ラインや配合設備を設け生産能力を増強する。23年内にスキンケアやヘアケアなど液体化粧品のパウチ用の充填設備を2ライン拡充。24年中には同工場内に乳化釜や開放釜といった配合設備を導入するほか、ボトル用の充填設備も増強する計画だ。
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