第一工業製薬は、植物由来原料のサステナビリティという特性とともに、ユニークな機能を有するセルロースシングルナノファイバー（ＣＳＮＦ）「レオクリスタ（ＲＨＥＯＣＲＹＳＴＡ）」のより一層の普及促進に取り組む。

　ＴＥＭＰＯ酸化法により製造されるレオクリスタは、ＣＮＦの中で最も細い繊維幅が約３ナノメートルのセルロースファイバーで構成。高粘度なゲル状にも関わらず、液体のようにスプレー噴霧できる。肌に塗ってもベタつかず、サラッとした使用感が得られるうえ、高い保湿・保水効果が期待できるため、美容液や化粧水、乳液といった、人の肌に触れるスキンケア用途に適している。さらに微粒子に対して、水中での沈降抑制、表面への吸着による分散性向上の効果を発揮することから、日焼け止めなどサンカット用途でも需要が見込まれる。

　製品中の有効成分濃度を従来品の３倍に高め配合メリットを改善した「レオクリスタクロス」シリーズを新たに開発した。ナノ繊維構造を最適化することで沈降抑制やチキソ性などの性能は維持しつつ、微粒子に対するバインダー性能を向上。性能とコストのバランスに優れる特性を生かし、レオクリスタの認知度向上および普及促進につなげる。

　レオクリスタとともに、植物由来原料のサステナビリティという特性が評価・注目されているのがショ糖脂肪酸エステル（ＳＥ）「ＤＫエステル」。乳化、洗浄、分散、起泡など、さまざまな機能を有し、スキンケア、ハンドクリーム、シャンプー・リンスに幅広く用いられているが、最近ではサンカット用途でも需要が増加中。欧州を中心にＲＳＰＯ（持続可能なパーム油のための円卓会議）対応製品も順次ラインアップしており、多様な機能を有するサステナブル素材として、国内外でさらなる需要の増加が期待される。