テイカは、訴求力の高い化粧品材料でグローバルニッチトップポジションを強固にする。近年、安全性の高い紫外線（ＵＶ）フィルターとして無機系材料の需要が増加するなか、独自性の高い新製品を相次ぎ開発するなどして業界内でのプレゼンスを高めている。

　微粒子酸化亜鉛では、水系増粘剤のカルボマーと併用できる新製品「ＺＥＣ－１」を開発した。酸化亜鉛は従来、水相に溶出する亜鉛イオンが製剤の粘度に影響を与えるため、Ｏ／Ｗタイプなどの化粧品には処方が困難とされてきた。これを受けテイカは、基材の改良と表面処理剤をより密に反応させる技術を導入し、ＺＥＣ－１を開発した。非常に高い撥水性を有していることから、亜鉛イオンの溶出量を従来品の約５０分の１まで抑えることができ、カルボマーと併用しても一定の粘度を保つことができる。

　カルボマーとの処方という点では、微粒子酸化チタンも表面処理剤として使用する水酸化アルミの影響で製剤が減粘するという課題がある。この課題に対処するため開発した製品がアルミフリーの微粒子酸化チタン「ＭＴ－５００ＣＳＴ」だ。独自の粒子制御技術によって基材表面を均一化することでより緻密な表面処理が可能となり、ステアリン酸単独処理でも製剤を安定化させることに成功した。また、特殊な粒子形状が光の乱反射を抑制するため、製剤を塗布した際の白さを軽減し高い透明性を再現できる。

　ユニークな機能性を持つ製品として衆目を集めるのが「Ｂ∞ｓｔ－ｔｏｕｃｈ（ブースタッチ）」。シリカの中に微粒子酸化チタンを内包した製品で、感触改良剤として無機系紫外線遮蔽剤と組み合わせて使用することで、感触改良効果と紫外線防御能のブースト効果が見込める。内包する酸化チタンが微細であるため、透明性が高いことも特徴。

　いずれの製品も日焼け止め製剤やファンデーションなど幅広い用途で国内外の化粧品メーカーに提案を進めている。