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  • 化粧品総合特集 堺化学工業、組織刷新 提案力を強化
  • 2023年10月23日
  •  堺化学工業は、強みとするサンケア向け材料に加え、メイクアップ化粧品向け材料の開発・拡販に注力する。多様な元素を原料とした幅広い製品ラインアップを強みに、事業拡大を目指す。

     コロナ禍を経て化粧品市場が回復に向かうなか、堺化学は化粧品材料の提案力を強化しようと9月に組織体制を一新した。化粧品事業に特化した「コスメティックイノベーション部」を新設し、マーケティングから開発、営業までを一貫して行える体制にした。営業と開発のつながりを強固にすることで、迅速かつ価値ある材料提案をできるようにする。

     製品展開では、新規開発品の提案を加速。日焼け止め用途では、高分散性微粒子酸化亜鉛「REAROUZ」を開発した。高い分散性により透明性と紫外線遮蔽能を高める。現在は、亜鉛溶出を大幅に抑えられる表面処理グレードを開発中。亜鉛溶出による生態系への影響を最小限にできる。

     メイクアップ化粧品向けには、球状の炭酸カルシウム「かるまる」と球状の硫酸バリウム「ばりまる」を開発した。感触改良剤として使用されるマイクロプラスチックビーズ(MPB)の代替原料としても提案する。良好な使用感に加え、高いソフトフォーカス効果も得られる。従来のパウダー系に加え、リキッド系の処方が可能な表面処理品もこのほど開発し、顧客評価を進めている。球状製品以外にも板状の硫酸バリウムも感触改良用途として販売しており、多くの採用実績を持つ。

     持続可能な開発目標(SDGs)の実現に向け、環境対応にも力を入れる。2020年4月には、化粧品材料を製造する小名浜事業所松原工場(福島県いわき市)の燃料をカーボンニュートラルLNGに切り替えた。また、昨年7月には同工場でRSPO SCC認証(マスバランス)も取得。環境に配慮したものづくりを進めていき、経営ミッションである「化学でやさしい未来づくり」を体現していく。
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