石原産業は、顔料級や超微粒子、特殊形状といった多彩な化粧品向け酸化チタンを展開する。得意とする粒子制御技術を活用し、粒子の形状やサイズ、表面処理など顧客ニーズ、各国規制に適合した製品を提供できることが強みで、同社が持つ豊富な販売チャネルを活用し、グローバルで市場開拓を加速させている。

　石原産業は酸化チタンの製造について、硫酸法に加え、塩素法による製造方法を確立している。化粧品向けでも、顔料級酸化チタンを中心に塩素法による製造が行われている。塩素法の酸化チタンは硫酸法のものと比較し純度が高く、重金属の含有量を低減できる。また、ＵＶフィルター向けの超微粒子酸化チタンも塩素法由来の原料を使用しているため重金属が少ない。この高い安全性から環境意識の高い化粧品メーカーが関心を寄せており、国内はもとより、市場成長が見込まれる海外で存在感を高めている。

　製品展開では、独自性の高い新製品を積極的に投入している。板状酸化チタン「ＣＰ－３５０」は、化粧品に配合することで、なめらかな感触とスムーズな伸びが得られる。また、シルキーな光沢とマイルドな白さを演出するため、自然な毛穴レス肌を可能にする。

　顔料級酸化チタンではアナターゼ型「ＰＦＡ４１２」を新たにラインアップに追加した。表面処理に水酸化アルミニウムを使用していないため、アルミフリーを求める欧米メーカーなどから衆目を集めている。また、顔料級の定番グレード「ＣＲ－５０」の販売も好調に推移する。

　サンケア製品向けの超微粒子酸化チタンでは、高いＵＶ遮蔽効果を持ちながらも価格帯を抑えた新製品をラインアップ。親油性銘柄の「ＭＰＴ－１８６」と親水性銘柄「ＭＰＴ－１８７」は、幅広い製剤に適用可能。光安定性も高く、化粧品の変質や劣化も起こりにくい。採用実績も出てきており、引き続き東南アジアを中心に幅広い地域でワークを進めていく。