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  • 化粧品総合特集 チタン工業、顔料の高付加価値化に力
  • 2023年10月23日
  •  チタン工業は、化粧品用顔料の高付加価値化に力を入れている。メークアップ向け酸化チタンでは落花生形状の新製品を提案。滑らかな感触、均一な化粧膜、適度な隠蔽力を実現できる。酸化鉄では単一組成で茶色味が得られるブラウン色材に引き合いが寄せられている。新たな白色顔料として期待するのはチタン酸カルシウム。適度な隠蔽力と良好な付着力が特徴で、顧客の選択肢を広げられるとみている。

     同社は無機材料の粒径・形状制御技術、表面処理技術を駆使し、高付加価値の酸化チタン、酸化鉄を軸に化粧品用顔料を供給している。

     落花生形状の「ST-850SA」「ST-850CSA」は、メークアップ向け酸化チタンの課題であった、きしみ、塗膜のばらつき、白浮きを解決。表面の凹凸があるため「点」で肌に密着、滑らかな感触が得られる。独自の形状により粒子が重なり合うことがなく均一な膜を形成する。

     長軸が600ナノメートル、短軸が300ナノメートルとノンナノタイプ(粒径が100ナノメートル以上)であることも特徴。欧州などナノ材料の使用に敏感な海外でも適用できる。

     ブラウン酸化鉄「BBRシリーズ」は、青味(305HP)、赤味(309HP)、黄味(213HP)をラインアップしており、単一組成で茶色味が得られるのが特徴。色材の量を減らすことができ、その分、処方の幅を広げることが可能になる。色分かれの心配がないのもメリット。

     チタン酸カルシウム(化粧品表示名称=チタン酸Ca)は、工業用途で培った知見を化粧品用途に応用した。適度な隠蔽力、良好な付着力に加えて、UVカット効果、赤色光の透過による透明感なども特徴。皮膚一次刺激性試験など安全性試験によって、人体に危険性がないことを確認ずみ。

     これらの製品は5月のCITE JAPAN(化粧品産業技術展)で技術発表し、業界関係者から注目されている。
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