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  • 化粧品総合特集 クラリアントジャパン、持続可能性の追求さらに
  • 2023年10月23日
  •  クラリアントはホームケア・パーソナルケア分野で、サステナビリティ製品の需要取り込みを図る。近年、同社はM&A(合併・買収)とパートナーシップの拡大を進め、環境負荷低減に貢献する製品や技術の開発と提案への取り組みを加速している。

     欧州ほかアジアでもサプライチェーンの透明性や持続可能性に対する製品開発の要求が高まるなか、同社は日本や韓国で、製品の色や感触に触れることができる体感型のセミナーを積極的に開催。今年の8月から9月にかけて7回にわたり実施し、市場への提案活動を強化している。

     新製品のレオロジー調整剤「Aristoflex Eco T」は同社の独自技術により開発したAMPSとペルー産の植物タラガムを組み合わせた増粘剤。タラガムの使用により、優れたpH安定性が実現され、再生可能な資源に由来する炭素の割合を示すRCI値も71%と高いレベルに達している。多くのサンプル依頼があり、ユーザー評価が進む。

     また、セミナーではアマゾン地域特有の「アマゾニアンビューティデザート」をテーマに、ブリチという果物から得られるヘアオイルやアサイーボールマスク、3色のクレイを原料としたイチゴ型のコンディショナーなどを紹介。クラリアントは2021年にブラジルの化粧品原料メーカー、ベラカを子会社化したことで、現地の植物由来の化粧品原料の開発を強化している。

     新技術による製品開発も進んだ。クラリアントが連携する仏PAT社のバイオ技術「PMT」は、土なしで屋内の空中栽培から高濃度の美容成分を取り出せる。同技術で得られた「Rootness Mood+」は、CITE JAPAN2023で銅賞を受賞。また、乾燥状態から少量の水だけで復活を遂げる復活草の特性から着想した新有効成分「ガラクチノール・アドバンスド」の開発にも成功している。
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