２０２３年度を起点とする４カ年中期経営計画を始動させた日本精化。成長ドライバーの一つに位置づけるのがビューティケアだ。「リン脂質といえば日本精化」とうたうなど、強みとする化粧品用リン脂質素材を中心に伸展させていく。

　化粧品用リン脂質素材は主にスキンケアの乳化剤やリポソーム基材として用いられている。同素材の構造は生体成分に類似しており、肌なじみがよく、独特の感触を付与できる。

　生理活性機能を有するのも特徴。同機能を訴求する製品として期待を寄せるのが新素材の「ＰｒｉｍｅＬｉｐｉｄ（プライムリピッド）　ＡＬＰＡ」。タイトジャンクション強化やコーニファイドエンベロープ成熟といった働きを持っており、皮膚バリア機能を改善し、肌のターンオーバーを正常化させるのに寄与する。また、肌を引き締め、毛穴を目立たなくさせる効果もある。医薬部外品にも利用可能。

　ＡＬＰＡはサンプルワーク中で、評価が進んでいる。採用実績を積み重ね、大型製品に育て上げる。

　海外展開にも拍車をかける。リン脂質素材は重点国・地域に定める中国において、代理店と協力して同材の機能を最大限発揮させるための使い方や処方設計などを教授してきたが、こうした取り組みの成果が結実してきた。

　欧米ではサステナビリティ対応製品を拡販する。ＲＳＰＯ（持続可能なパーム油に関する円卓会議）やＮＯＮ－ＧＭＯ（非遺伝子組み換え作物）として認められている植物由来原料を使った機能性油剤の提案を進める。

　ＳＮＳ（ソーシャル・ネットワーキング・サービス）の「インスタグラム」を活用して各化粧品素材の利点などを紹介している。フォロワー数は１０００人を突破、当初の目標を達成した。今後は動画コンテンツを充実させるなどして、さらなるフォロワー獲得につなげる。