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  • 化粧品総合特集 川研ファインケミカル、アミノ酸界面活性剤に力
  • 2023年10月23日
  •  川研ファインケミカルは、市場ニーズに対応し安全性・機能性にも優れた界面活性剤、化粧品基剤の提案に力を注ぐ。

     新製品では、顔や皮膚に「さっぱり感」「さらさら感」を付与するスキンケア向け新規アミノ酸界面活性剤「アラノンCBK」(化粧品表示名称ココイル-β-アラニンK、水)を開発した。同社はこれまでヘアケア用途のアミノ酸型界面活性剤で採用実績を積み重ねてきたが、新製品はボディソープや洗顔料など用途を拡大していくための注力品と位置付け、積極的な提案活動を進める。

     アラノンCBKは、植物油脂を原料とした濃度25%の水溶液でアミノ酸骨格の新規原料。泡タイプ・液体タイプの洗顔料やボディソープなどに約1~5%の少量添加することで、キュキュッと感やさっぱり感、洗い上がりにさらさらする感覚が得られるのが特徴。弱酸性から弱アルカリ領域において、高い界面活性能および泡立ちが得られるため、幅広いpH領域で配合が可能となっている。

     一般にアミノ酸型界面活性は金属塩、いわゆるスカムを生成しにくいことが知られるものの、アラノンCBKは容易に板状のスカムを生成し、洗浄時に安定して皮膚表面に吸着する。潤滑特性も高く、さっぱり感を発現する要因となっている。

     また官能評価では、サンプル処方にアラノンCBKを4%添加し感触を調べた。アミノ酸型界面活性剤の処方系ではさっぱり感を付与し、脂肪酸の処方系ではツッパリ感を軽減するユニークな特性を持つことが分かった。今後もエビデンス拡充に向けた研究を進めていく。

     現在、アラノンCBKを配合したサンプル処方の提案を進めており、顧客からは「洗い上がりの皮膚の感触が面白い」など高評価を得ている。今後はウェブを活用した製品説明会なども計画し、来期以降の売り上げにつなげていく考えだ。
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