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  • 化粧品総合特集 当栄ケミカル、高精製技術でニーズ対応
  • 2023年10月23日
  •  植物由来の脂肪酸エステルを製造販売する当栄ケミカル。子会社の三光化学工業(大阪府忠岡町)は鉱物油由来の流動パラフィン(LP)を手がけている。両社ともに高精製技術を得意としており、安全で安心して使用できる高機能な化粧品用素材を提供し続けている。

     当栄ケミカルの化粧品用脂肪酸エステルは主にクレンジングオイルの基材として用いられている。なかでも販売好調なのが、パルミチン酸エチルヘキシル「TOENOL#5016-S」。高精製技術を駆使して不純物を限りなく除去したもので、高品質であるといった点が評価され、需要が増している。

     岡山工場(岡山県高梁市)ではTOENOL#5016-Sを作る生産設備がフル稼働に近づきつつある。同製品は約1年前に中国の国家薬品監督管理局(NMPA)に登録ずみで、同製品が使われている化粧品の中国での販売拡大に期待。また同工場はハラールとコーシャの認証を取得しており、イスラム圏などでの商機を探っている。こうしたことから増産が不可欠で、順次ボトルネックを解消し、生産能力を段階的に引き上げていく。

     三光化学も海外展開を推進する。重点に定めるのが中国で、わずかな臭気成分も取り除いた非常に精製度の高いLP「SPタイプ」の3製品と、高精製品のLP「No.70-S」、そしてパルミチン酸イソプロピル「IPP」、ミリスチン酸イソプロピル「IPM」のNMPA登録が今年5月に完了した。品質管理部門における中国語のスキルアップ、SDS(安全データシート)および品質管理規格の中国語版の作成などに励み、中国関連のニーズを獲得する。

     投資も行う。本社工場隣接地に新たな事務所を立ち上げる。完工は来夏を予定。現在の事務所は研究室として活用、最新の分析機器を導入する。分析業務の効率化や強化を図り、化粧品向け新製品の開発につなげる。
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