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  • 化粧品総合特集 大阪ガスケミカル、ケトン体原料の周知に力
  • 2023年10月23日
  •  大阪ガスケミカルは、世界初の化粧品向けケトン体原料「OHALOS」の効果に対するデータ取得を推進、知名度を上げて採用につなげる。これまでOHALOSの表皮におけるバリア機能について検証してきたが、3月に開催された日本薬学会では真皮におけるコラーゲン線維の形成能向上効果について発表した。老化により同形成能が低下することでシワやたるみが引き起こされると考えられている。

     OHALOSは、大阪ガスがバイオガス製造プロセス開発などで得た発酵技術を活用し、95%以上の高純度を実現したケトン体、3-ヒドロキシ酪酸(3HBまたはBHB)。糖を原料にハロモナス菌を使い、発酵して得られた天然由来であることも特徴だ。現在は大阪ガスケミカルでコーポレート研究を担うフロンティアマテリアル研究所も開発に加わり、営業活動を保存剤事業部が行っている。化粧水や美容液などのスキンケア分野での採用を目指している。

     これまでに、表皮でコーニファイドエンベロープを構成するたんぱく質を架橋するトランスグルタミナーゼ1の産生や活性の増加を確認。さらに今回、真皮でコラーゲン前駆体を細胞外へ出す働きをするモータータンパクを活発化させ、コラーゲン線維の形成能を向上させることがわかった。これらのデータを5月に開催された「CITE JAPAN 2023」でも紹介。引き合いが強まっている。

     一方、高機能無機粉体材料「OVEIL」で目下、注目されているのが低粘度タイプのベントナイト「OVEIL BR」。一般的なベントナイトよりも伸びがよく、泥パックなどでの採用が検討されている。また、水系ゲル化剤「同ER」もゲル塗布時にハリ感を演出できるとして評価が進んでいる。大阪ガスケミカルでは、引き続き、新規事業の一つである化粧品分野に注力していく構えだ。
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