島貿易は、経営方針であるＦｉｎｄ，Ｄｅｓｉｇｎ　＆　Ｃｒｅａｔｅ（発掘×革新→創造）のもと、化粧品業界の顧客の困り事や課題を掘り起こし、日本での知見やラボ機能を活用しながら解決策を提案することで、顧客満足を創造する。神戸製造分析センターおよび、４つの自社ラボ（医薬化粧品・機能材料開発・トライボロジー・農業関連資材）をベースにデータの蓄積や独自処方提案による差別化を図り、顧客との技術協力の強化、自社ラボ間での情報共有化によるシナジーを発揮し基盤強化を図る。また自社ラボにおける独自原料の開発も推進する。

　今期は特に美容・エステサロン市場での需要開拓を強化している。サステナブルに対する消費者の関心が高まる中、シクロメチコン代替として、米ヴァンテージ社のホホバ油、ヒマワリ油、オリーブ油、シアバターといった植物油、フランスＣＩＴ社のイソドデカン、両社の水添ポリイソブデンを提案。引き続き韓国のＫＣＣ社のシリコーン製品も紹介している。また米ヴァンテージ社がＪＥＥＮ社を買収したことから１００％天然由来のアルカンオイルの販売を開始した。

　機能性成分（美白、アンチエージング等）の紹介にも力を注いでいる。米ＢＧＴ社の国内総代理店として、抗老化作用のあるペプチド「ＢＧＴ　ＴＤＰ－１」の紹介を開始した。一般的なペプチドは線形構造であるのに対し、このペプチドは三次元球状構造に折り畳まれているため、分子量が大きいにも関わらず、皮膚への浸透性が優れている。アセチルコリンが受容体に結合するのを防ぎ、筋肉をリラックスした状態に保ち、その結果シワを減少させることができる。

　また韓国のＡＢＣナノテック社が揃えている特殊なシリカ製品がマイクロプラスチックビーズ代替として実績が出始めている。様々な粒径のシリカ、吸油性がある多孔質シリカ、表面コーティングを施したシリカなどがある。