化粧品業界ではサステナブル素材のニーズが高まっている。化粧品原料商社のシバハシケミファは、機能性にも優れる天然由来素材などを全世界から探し出し、化粧品会社のニーズに応えていく。

　国内で提案活動に励んでいるのが、英アルケミーイングリディエンツの水系増粘・ゲル化剤「ＳＣＬＥＲＯＴＨＩＸ（スクレロシックス）」。べとつかず、滑らかでさらりとした感触、糸引きがない透明な水系ゲルを作製することが可能で、増粘・ゲル化剤の定番であるカルボマー（架橋型ポリアクリル酸）の特徴を実現できる。スクレロシックスを構成する真菌由来のスクレロチウムガム、海藻由来のアルギン酸ナトリウム、微生物由来のキサンタンガムが架橋しながら高分子ネットワークを形成している。この構造はカルボマーと似ており、類似した特性を発揮すると考えられている。

　耐塩性が高いというカルボマーにはない利点も有している。塩が加わると高分子ネットワークが強化され、粘性が向上する。ｐＨ（ペーハー）の有効域は広く、ｐＨ３～１２の範囲で安定した粘度を示す。また多くの界面活性剤と併用可能。懸濁性も高く、スクラブ粒子、粘土、顔料などを均一に分散させられる。

　スクレロシックスは美容液、美容クリーム、クレンジングオイルといったスキンケア化粧品全般に使用できるほか、ヘアケアなどでも商機を探る。

　アルケミーイングリディエンツが手がける「ＩＮＳＴＡＴＨＩＸ（インスタシックス）」の紹介も進めている。微生物由来のキサンタンガムなどからなる１００％天然成分由来の素材で、乳化・増粘・安定化・感触向上の４つの機能を兼備。容易かつ素早くオイルインジェルエマルションを調製できる。

　両製品ともにサンプル提供の依頼件数は多く、評価が進展している。各社の要望に対応し、採用に結びつける。