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  • 化粧品総合特集 日本タルク、表面に無機材料を複合化
  • 2023年10月23日
  •  日本タルクは、タルク製品の高付加価値化戦略を推進していく。世界で唯一のタルクと他の無機材料の複合化製品や1ミクロン以下の微粒子化製品の販売に注力するほか植物由来の高吸水性材料など新製品開発に取り組んでいく。

     同社はタルク専門メーカーとして幅広い分野へ製品を提供しているが、近年、力を入れているのが表面処理技術を活用したタルクの高付加価値化製品である。

     その1つがタルク表面に各種無機材料を複合化したハイブリッドフィラーで同社独自のオリジナル製品。被覆する素材は酸化チタンや酸化亜鉛、酸化鉄などユーザーの要望に応じることができる。

     タルクは化粧下地やファンデーションなどに使われるが、酸化チタンの隠蔽性を活用し、タルクの白さを目出させないようにできる。これまでは化粧品メーカーが酸化チタンを製造時に添加していたが、複合化することで酸化チタン添加量や作業工程の削減が図れる。また、酸化チタンや酸化亜鉛は紫外線遮断のため添加するが、タルクに被覆することで使用量が減らせ、コスト低減につながる。2022年から本格展開しているが、引き合いは増えているという。

     超微粒子化「NANO ACE(ナノエース)」は世界で日本タルクのみが生産している。通常の微粉タルクの粒子径は5,6ミクロン~10ミクロンだが、ナノエースの平均粒子径は0・6ミクロンで、1ミクロン以下での調整ができる。通常、タルクを微粒子化するとガスバリア性に関与する板状粒子形状が損なわれるが、板状形状を維持したまま性能を落とさず、超微粒子化した。用途は樹脂の充填材や高機能接着剤・塗料などを狙っており、欧米市場での拡販を進めている。

     新製品開発では、マメ科植物のグァーガムを原料とした高吸水性材料がある。紙おむつなどの衛生用品で使われているSAP(高級水樹脂)の代替需要を開拓していく。
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