• 「自動車のみらいとその材料」をテーマにした座談会
      「自動車のみらいとその材料」をテーマにした座談会
     難燃材料研究会はこのほど、「第9回難燃シンポジウム」を開催した。4年ぶりの対面形式とウェブのハイブリッド開催とした今回は日本フルオロケミカルプロダクト協議会(FCJ)による「欧州のPFAS制限提案とその対応」や、自動車メーカーおよび材料メーカーの担当者による「自動車のみらいとその材料」をテーマとした座談会、難燃材料を担う若手研究者の講演などをテーマに取り上げた。

     PFAS(有機フッ素化合物)に関してはFCJの小松聡氏が人体や環境に対する有害性のあるPFOAとPFOSを「特定PFAS」として、それ以外のフッ素樹脂やゴムなどは低懸念物質であり人体に影響がないことを広めていく方針を強調。規制の制定について欧州は一般的なリスクベースではなく、“予防原則”の考え方を取り、ポリティカルな規制になりかねないことを訴え、「意見を言わない団体、会社は提案を認めたことになってしまう」と述べた。

     また、PFAS規制案に対する第1回のパブリックコメントには5000件以上もの意見が寄せられ、この対応で当初スケジュールからの遅れが予想される見通しであることやPFAS規制の提案国であるドイツにおいてPFASの全面禁止に“拒否”の意見がオフィシャルに出されていることも報告された。

     座談会では、ホンダ、日産、三菱ケミカル、ADEKAの担当者がこれまでの仕事の取り組み方などを紹介するとともに、会場からの自由な質問に答える形式で、欧州ELV(エンド・オブ・ライフ・ビークル)規制や車の解体を含むリサイクルの課題や、軽量化の考え方など多様な話題を取り上げた。
いいね

  • ランキング(資源・素材)