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  • G7貿易大臣会合、共同声明採択 経済的威圧に対応
  • 2023年10月31日
    • 西村経産大臣と上川外務大臣が共同議長を務めた
      西村経産大臣と上川外務大臣が共同議長を務めた
     主要7カ国(G7)貿易大臣会合(大阪市、堺市)は29日、共同声明を採択し、閉幕した。同会合では、相手国に経済的な損害を与えるために貿易措置を恣意的に適用する「経済的威圧」に対し、G7で結束して対応することを表明。その対応策の一つとして、重要鉱物や半導体、蓄電池などの重要物資について、「強靱で信頼性のあるサプライチェーン」の構築に取り組むことを共同声明に明記した。

     同会合は、西村康稔経済産業大臣と上川陽子外務大臣が共同議長を務めた。日本が議長国を務めるのは今年4月にオンラインで実施した会合に続く2回目となる。

     共同声明では、「経済的依存関係を武器化するような」経済的威圧に対し、G7として「深く懸念する」と表明した。そのうえでG7広島サミットで立ち上げを合意した「経済的威圧に対する調整プラットフォーム」などを通じて、迅速な情報共有を確保し協調的な取り組みを強化することで一致した。産業界のバックフィル(抜け道)取引について情報共有を密にすることも言及した。

     経済的威圧への対応策として、G7が結束してサプライチェーン(供給網)の強靱化に取り組むことで合意した。同時に、「G7だけでサプライチェーンが完結するわけではない」(西村経産大臣)とし、「グローバルサウス」と呼ばれる新興・途上国や民間企業との連携を強化することも掲げた。その一環として28日には、G7貿易相会合として初のアウトリーチセッションを開催。豪州、チリ、インド、インドネシア、ケニアの閣僚や産業界、国際機関の代表者が参加した。

     貿易と環境では、欧州連合(EU)の炭素国境調整メカニズム(CBAM)を念頭に、「貿易に影響を与える気候変動に関する目標を追求する手段が、WTOに整合的であることが重要である」とした。鉄鋼分野を中心に「生産時の排出量を測定する手法の国際的整合性確保に向けて協力する」ことも盛り込んだ。
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