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  • 三井化学、再構築第2幕へ クラッカー再編視野
  • 2023年11月29日
    • 会見する橋本社長
      会見する橋本社長
     三井化学の橋本修社長は28日、経営概況説明会を開催し、基礎化学品事業の再構築第2弾を本格化させる考えを示した。京葉地区においてナフサクラッカーの能力削減も視野に入れた再編や、他社との連携によるポリオレフィン事業最適化の青写真を2025年度末をめどに描きたい考え。24年以降は大阪工場を含む西日本連携についても周辺コンビナートへ協力関係の構築を打診していく。

     ベーシック&グリーン・マテリアルズ(BGM)事業は300億円のコア営業利益を安定して稼ぎ出せる事業基盤の整備に向け、再構築第1弾として高純度テレフタル酸(PTA)やフェノール、ウレタンの大型市況3製品のテコ入れにめどをつけていた。

     もっとも、今期は中国を中心とした経済減速や製品の供給過剰が想定以上に響き、通期はマイナス30億円の赤字見通し。橋本社長は「構造改革が不十分だったとの反省があり、足元の状況が一過性でなく数年続くと考えるなら、もう一段の再構築は不可避」との考え。基盤を確固たるものにするべく、再構築第2幕を進め、先日発表した岩国大竹のポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂の生産停止に加え、新たにクラッカーやポリオレフィン、フェノールのテコ入れ策の検討を開始したと述べた。

     クラッカーは京葉地区では住友化学、丸善石油化学との3社連携を軸に、需要に見合った能力の最適化や再編を検討する。25年度までに能力削減や共同運営などを含めたあるべき姿を描きたい考え。大阪では近隣の大阪ガスや関西電力などと連携したカーボンニュートラル対応に加え、水島や周南、大分など瀬戸内海に近接するコンビナート各社とタンクなど設備の共同利用や新規の技術開発に向けた議論に乗り出す。

     橋本社長はコンビナートの再構築について、誘導品強化の視点の重要性を説き、「かつてはクラッカーありきで、そこに誘導品をつけ加えてきた。今後は経済安全保障などの観点からも中国や韓国が真似できない競争力ある誘導品をいかに揃えるか、そのために必要なクラッカーのあり方や能力を考えるという逆の発想が必要だ」との認識。

     ポリオレフィンの最適化については社内で具体的な議論を始めたとし、「京葉地区が連携の中心になるが、地域が離れていても可能性はある」。事業統合の可能性については「それが最適解ならオプションとして選択する場合もある」と述べた。

     市原で19万トン、大阪で20万トン能力を有するフェノールについては、出光興産が24年10月までに誘導品のビスフェノールA(BPA)の千葉の8万トン設備を停止することを受け、ダウンサイジングを検討する。

     事業環境は逆風下にあるが、橋本社長は25年度のコア営業利益2000億円の目標は堅持する姿勢を示し、とくに成長3分野については今期の1210億円目標を維持。オーガニック成長や新事業・M&A(合併・買収)に加え、成長加速に資する積極的な他社連携にも言及し、不織布やフィルムといったこれまでの製品や事業ごとのアライアンスに加え、「事業の枠を広げたり、複数の事業を一緒に考えるなど広い視点での連携の可能性も追求する」。BGMの基盤を固めたうえで成長領域を拡大し、「30年には真のグローバルスペシャリティカンパニーになりたい」と述べた。
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