年次株主総会で成長戦略の方針を話すカミートBASF取締役会会長
独BASFはこのほど、年次株主総会を開催し、中国・アジアを成長の中心とする方針をあらためて示した。なかでも最大の牽引役と位置付ける中国では、湛江のフェアブント(統合生産拠点)が計画通り2025年後半に稼働を開始する見通し。インド・ASEAN(東南アジア諸国連合)各国では、的を絞った投資、パートナーシップ、協業を通じて、市場の成長ペースを上回る拡大を目指す。
マーカス・カミート取締役会会長は「化学産業の成長の原動力は、これまでもこれからもアジア、とくに中国だ」と述べた。湛江のフェアブントについては、「当社が中国市場とともに成長していくための基盤」と位置付け、「技術、効率、持続可能性の面で新たな基準を打ち立てる施設となる」と説明した。インドやASEANについては、「人口の増加と豊かさの向上、そしてこれらの国々が世界経済においてますます大きな役割を果たしている」と指摘し、より積極的な成長戦略を展開していく方針を示した。
またカミート会長は、「当社は地域ごとに、地域の市場向けに現地生産を行っている。この体制はこれまでもBASFの強みだったが、現在のような時代においては一層の利点となっている」と述べ、現地生産体制の優位性を強調した。24年は、欧州および北米での売上高の約90%が、それぞれの地域で製造された製品によるものだった。米国では売上高の80%以上が米国内生産品による。アジア太平洋地域および南米でも、地域内生産品の比率は約80%に達している。
2日発表した25年第1四半期(1~3月)の業績は、売上高が前年同期比0・9%減の174億ユーロ、特別項目控除前EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)は同3・2%減の26億2500万ユーロとなった。純利益は8億800万ユーロで、同41%の減少。ノルトリヒト風力発電プロジェクトからの撤退にともなう約3億2500万ユーロの特別損失が影響した。
今後の事業環境についてカミート会長は、「現在、米国の関税政策が需要や世界貿易の流れに与える影響、そして今後何が起こるかを予測することは困難だ。そのため、当社はさまざまなシナリオに備えている」と述べ、特別項目控除前EBITDAを80億~84億ユーロ、フリーキャッシュフローを4億~8億ユーロとする25年通期業績見通しを据え置いた。