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  • 中国、対日両用品の輸出管理強化 追加書類提出要求
  • 2026年2月24日
  •  【上海=中村幸岳】中国政府が先月6日に両用品の対日輸出管理強化を発表して以降、中国のフォワーダーが両用品リスト掲載品の対日輸出請負を断ったり、荷主が管轄当局からこれまで要求されたことのない追加書類の提出を求められる事例があるようだ。審査期間が長期化するケースもある。今後はレアアースや炭素繊維複合材料などに加え、同リスト上で「易製毒化学品」に分類される製品の扱いや、両用品目輸出管理条例の下位法(弁法)改正なども焦点になる。

     日系企業関係者の話を総合すると現状、1月6日以前に輸出認可を受けた両用品は問題なく輸出できている。一方、それ以降に輸出認可申請した企業は、管轄当局である商務部から民需用途であることを保証・証明する追加書類が要求されるという。

     条例は「必要に応じて当局が追加文書の提出を要請できる」と規定されている。文書の詳細は明記されていないが、売り手と顧客の契約書や、メールなどが想定されているようだ。

     審査期間については45営業日と規定されているものの、起算日は、荷主企業から提出される申請書類がすべて揃ったことを商務当局が確認した日であり、外部から判断しにくいのが実情。物品の調達リードタイムなども考慮すると「審査長期化や輸出申請却下などの影響が顕在化するとすれば春節明け以降」(商社筋)との見方もある。

     また関係者によると、フォワーダーがリスト掲載品やそのサンプル、掲載品が使われている工業製品などの輸送を断るケースがある。条例はフォワーダーの責任も規定しているため、違反した場合、罪に問われる可能性を考慮しての対応とみられる。

     他方、一部のリスト掲載品については中国国内で値上がり傾向がみられる。輸出が難しくなれば国内需給が緩む可能性が高いにもかかわらず市況が上昇していることについて、その製品に詳しい関係者は「リストに掲載されたことで『価値が上がる』とみた投機的な動きで、一過性に終わるだろう」とみる。

     易製毒化学品とは、化学品や農薬の原料、一般生活などで広く使用される一方、麻薬・向精神薬の原料・中間体にもなり得る化学品を指す。両用品リストでは約120品目が指定され、日本にも輸出されてきた基礎化学品が多く含まれる。

     易製毒化学品はこれまで、輸出先がミャンマー、ラオス、アフガニスタン、米国、メキシコ、カナダのいずれか(品目によって異なる)である場合のみ、認可が必要だった。しかし1月6日以降、対日輸出でも認可が必要になるのかは現時点で明確になっていない。

     こうした問い合わせに対し、商務部は電話窓口を設置して対応しているが、輸出企業(荷主)自身が問い合わせをしなければ回答を得られないよう。

     もう1つ焦点となるのが、条例の下位法である「両用品・技術輸出許可管理弁法」の改正だ。同弁法は輸出認可の有効期限など細則を規定する。現行弁法の前回改正は2005年と20年前。再改正に向け昨年パブリックコメントの募集が始まった。年内に締め切られ、今年中~27年に改正弁法が施行されるとみられる。

     民営企業や外国企業は一般的に、両用品を輸出する際は毎回認可を取得しなければならず、認可取得から6カ月以内の輸出が義務付けられている。大きな変更はないとの見方もあるが、改正内容が注目される。
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