政府は10日、官邸で日本成長戦略会議を開き、官民連携で危機管理投資・成長投資を促す17の戦略分野のロードマップ(工程表)素案について第1弾を提示した。17分野のうち優先的に支援する61製品・技術を選定し、うち27製品・技術について目標値などを盛り込んだ工程表案を示した。化学関連では、バイオものづくりで2040年に国内企業の売り上げを合算した数値として11・9兆円を掲げた。6月にも策定する日本成長戦略に反映する方針だ。

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     17の戦略分野のうち、経済安全保障、海外市場獲得可能性、技術の革新性などの観点から、まず61製品・技術を選定した。今回、そのうちの27製品・技術について官民投資工程表案を明らかにした。工程表案はまだ検討中のもので、各製品・技術の現状、目標、基本戦略、官民投資の具体像は記されているが、投資額やその時期、投資による定量的なインパクトは明示されていない。また、選定した61製品・技術についても成長戦略策定までに増える可能性がある。

     化学関連では、バイオものづくり、バイオ医薬品・再生医療等製品、医薬品、感染症対応製品、永久磁石、半導体、ペロブスカイト太陽電池、水素・アンモニア、植物工場などの工程表案が提示された。うちペロブスカイト太陽電池および水素・アンモニアの目標値は、次世代型太陽電池戦略および水素基本戦略で掲げた目標を引き継いでいる。

     バイオものづくりでは、バイオ製造技術の開発・高度化に向けた投資や、生産拠点整備を官民連携で実施することで、40年の日本企業の売上高合計を11・9兆円にする目標を掲げた。

     化学企業がCDMO(医薬品開発製造受託企業)として積極的に参入しているバイオ医薬品・再生医療等製品では、40年の日本企業の売上高合計を23兆円に伸ばす考えだ。そのため、海外製造している国内向けバイオ医薬について国内製造を促す方針。再生医療等CDMOはアジア市場でのシェア獲得を目指す。

     創薬・先端医療分野の医薬品については、従来にない新しい作用機序の最初の薬「ファーストインクラス(FIC)製品」や、同じ作用機序を持つ薬のなかで、効果や安全性などの臨床的な重要性において最も優れている薬「ベストインクラス(BIC)製品」の創出を掲げた。それにより、国内製薬企業が世界市場で獲得する特許品の市場規模について、特許品の世界市場における年平均成長率(9・6%)と同水準の成長を目指すとした。創薬・先端医療分野の感染症対応製品では、重症感染症に用いる免疫グロブリン製剤の国内自給率100%などを記載した。

     マテリアル分野で先行的に工程表案が示された永久磁石では、30年時点で日系自動車産業などの需要量に対応する生産能力確保を盛り込んだ。30年までに省レアアース・レアアースフリー磁石の量産技術確立も掲げた。検討中だが、30年までのネオジム磁石におけるレアアースリサイクル率の目標値も掲げる計画だ。

     フードテック分野の植物工場では、日本品質の農産物および植物工場プラントと運営ノウハウをあわせたシステムをパッケージ展開し、40年までに国内外市場シェア3割を目指す。
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