• 最先端半導体向けで圧倒的なシェアを誇るナガセケムテックス製の液状封止材
      最先端半導体向けで圧倒的なシェアを誇るナガセケムテックス製の液状封止材
     <中国市場に挑む長瀬産業/上>

     長瀬産業は、中国でビジネス領域を拡充する。グレーターチャイナ(香港を含む)地域に2025年4月から再び日本人CEOを常駐させ、変化のスピードが早い中国市場において現地でより迅速に経営判断をする。これまでに半導体や電子部品、EV(電気自動車)、食品分野で中国企業との関係を構築しており、今後はグローバル展開を加速するこれらの中国企業の海外進出を支援、協業をグローバル規模で広げていく。すでに半導体事業の売上高は数百億円規模までに成長しており、競争が激化する中国市場で日系商社として存在感を発揮している。

     長瀬産業は、1997年に上海長瀬有限公司を設立し、本格的に中国に進出した。その後、各地で現地法人を設立し、2019年に投資性公司として長瀬(中国)有限公司を設立し、事業部制を確立。「ワンチャイナ運営」へと舵を切り、中国全体での最適化を目指す体制に移行した。現在は「半導体」「電子」「汽車」「機能樹脂」「化学品」「加工材料」「生活関連」の7つの事業軸で主体的にビジネスを創造できる体制が構築されている。加えて管理体制の集約効率化やガバナンスの強化を図っている。

    • 長瀬(中国)の狭川董事長
      長瀬(中国)の狭川董事長
     長瀬(中国)は、日本やASEAN(東南アジア諸国連合)などNAGASEの主要海外拠点に中国人駐在員を積極的に派遣することで、取引先である中国企業への迅速できめ細かな対応を通じ、パートナーシップ強化に加えビジネスの拡大を図る。中国でとくに成長が著しいのが、素材から製品まで急激な国産化が進む半導体サプライチェーン領域だ。09年から現地社員を中心に半導体事業への取り組みを開始し、十数年をかけて前工程から後工程まで中国企業との取引を構築。とりわけIC(集積回路)製造における全サプライチェーンをカバーするビジネスモデルに強みを発揮する。

     まずは生成AI(人工知能)サーバー向けに供給が拡大する液状封止材(LMC)を製造する子会社のナガセケムテックス(大阪市西区)の存在がある。最先端半導体向けの封止材では圧倒的なシェアを有しており、直近の業績にも貢献した。もう一つが、昨年取得した米セイケム社が手がけるアジア地域の半導体高純度化学品事業だ。子会社の無錫三開高純化工有限公司(江蘇省)で製造する高純度現像液のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)の拡販を開始、旺盛な需要に対応する。

     また、中国各地に現法拠点を置き迅速な現地対応ができる体制をフル活用する。「現地企業との合弁会社を設立した経験や中国国内の半導体業界トップ人脈などを持つ強みがある」(狭川浩一董事長)としており、半導体事業に引き続き注力する方針だ。
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