• 機能性材料
  • 住化カラー、プラ容器彩るマスターバッチを前面に
  • 2023年10月3日
    • エフェクト顔料を混合したMBを用いて成形
      エフェクト顔料を混合したMBを用いて成形
     <ケミマテ’23>

     【大阪】住化カラーは、化粧品容器などのプラスチック製容器に高意匠性を付与できるマスターバッチ(MB)の提案活動に拍車をかける。製品群は豊富で、金属光沢、玉虫色、蛍光発色、すりガラスといったさまざまな要望に応えられる。これらを実現するのに塗装や加工が不要で、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に寄与するという利点も訴求し、採用実績を積み重ねていく。

     住化カラーの主力ビジネスは着色材、機能性MBならびに着色材、機能性コンパウンドの受託製造。さらなる成長を遂げるには自社製品の伸展が不可欠で、育成に力を入れている。拡販に取り組んでいるのが高意匠性MB。ポリオレフィン、PET(ポリエチレンテレフタレート)、さらにはポリカーボネート(PC)をはじめとしたエンジニアリングプラスチックに配合できる各種高意匠性MBを手がけている。塗装レスが可能で、環境負荷低減にも貢献できるとして営業活動を強化している。

     紹介に励んでいる1つがパール顔料やエフェクト顔料、アルミ顔料といった光輝性材料を用いた着色材関連製品。基材である合成シリカに酸化チタン、酸化鉄を被覆し、見る角度によって金属光沢調の色が変化する着色材はPL(ポジティブリスト)に収載されており、引き合いは強い。また、特殊アルミに樹脂をコーティングし、アルミに近似した色調を再現できるものは、PLには非該当であるものの、内容物に接触しないジャー容器の外側部分に利用可能として提案を進めている。

     大理石模様を表現できる同MBは近年、化粧品容器向けなどでニーズが高まっている。集光し端面から蛍光を発する集光性蛍光材料を活用した製品も伸ばす。耐光性に優れるオレンジ色と黄色の2色の蛍光顔料を発掘。これらを混合して調色することが可能で、化粧品容器のほか、照明器具や自動車内装部材などでも商機を探る。

    • 「KASUMIカラー」はシート押出成形にも対応できるようにした
      「KASUMIカラー」はシート押出成形にも対応できるようにした
     すりガラス調のデザインを付与できる同MB「KASUMI(カスミ)カラー」は化粧品容器向けを中心に採用が進展している。従来、プラスチック容器にすりガラス調を施すには成形後にフロスト処理を行い、容器表面を荒らす工程が必要だが、PET樹脂にカスミカラーを加えてブロー成形すれば容器に凹凸が形成され、すりガラス調の外観が得られる。添加剤の粒子径の大きさを変えることで透明感(ヘイズ)を調整することも可能で、容器を持った際の感触は良好。射出成形にも対応している。

     フロスト処理が不要となることから短納期化、同処理におけるロスの削減、さらには環境負荷低減などにつながるとして高い評価を受けている。

     カスミカラーは現在、PETに混合したMBを品揃えしているが、PCやポリスチレンにも適用できるようにしたい考え。成形についてはシート押出も対応可能とした。シート間に挟み込めば、すりガラス調の間仕切りを作製できるなど、最適な用途を見つけ出す。
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