• 環境課題
  • 大陽日酸、ドライアイスブラスト装置、半導体用拡大
  • 2023年10月20日
    • 半導体用ドライアイスブラスト装置
      半導体用ドライアイスブラスト装置
     <ケミマテ’23>

     大陽日酸は、半導体用ドライアイスブラスト装置を提案し、乾式洗浄のニーズを取り込む。薬液による洗浄は排水が生じ、排水に含まれる有機フッ素化合物(PFAS)への対応も課題となる。ドライアイスを用いた乾式洗浄に代替すると環境負荷を抑えられ、二酸化炭素(CO2)の回収・利用・貯蔵(CCUS)の出口戦略として利用できる。同社の装置はウエハーが帯電しないように静電気対策が施され、最先端からレガシーまで幅広い分野で拡販を目指す。

     ドライアイスブラストはドライアイス粒子を対象物に噴射する乾式の洗浄技術。ドライアイスが気体に昇華する際に体積膨張し、付着物を除去する。対象物を傷つけず、乾燥工程や廃液処理が不要になるため、効率的で環境負荷も低い。主に金型や大型装置などの洗浄・メンテナンスに利用されている。

     提案するのは微細なドライアイスを微弱な圧力で噴射する半導体のウエハー向けドライアイスブラスト装置。薬液洗浄を代替できるため、廃液処理が不要になる。大陽日酸グループは炭酸ガスの最大手で、装置用のドライアイスも供給する。将来的にはCO2の回収まで手がけたい考えでCCUSに向けCO2のサプライチェーンを構築する。

     半導体用途に合わせ、静電気対策にも力を入れた。ウエハーが帯電すると、パーティクルが集まったり、デバイスに影響する。同社はドライアイスの噴射方法やノズル形状を工夫し、装置全体の除電システムも組み込むことで万全な静電気対策を構築した。

     足元の環境対応やPFAS問題などから採用が増えているという。引き続き薬液洗浄の代替ニーズを取り込み、ファウンドリーや半導体メーカーが取り組む環境対応に貢献する。
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