バイオ医薬品の開発・製造に携わる人材育成を目的とした産学官連携組織「バイオロジクス研究・トレーニングセンター（ＢＣＲＥＴ）」は２６日、人材派遣会社のパーソルテンプスタッフとバイオ人材の育成で業務提携すると発表した。バイオ医薬品に特化した技術者を育成する研修で連携する。パーソルテンプスタッフが持つ全国ネットワークと、ＢＣＲＥＴのバイオ医薬品製造に関する実習研修のノウハウなどを融合し、国内の製薬企業や開発・製造受託（ＣＤＭＯ）企業などのバイオ人材ニーズの充足に対応する。

　両社は、パーソルテンプスタッフの派遣社員であるバイオ医薬品技術者に特化した研修に関して検討し、２０２２年にパイロット研修を行い、今年８月から本格的に技術派遣社員向けの研修の提供を開始した。ＢＣＲＥＴはバイオ医薬品の「培養工程と細胞分離とそれに伴う分析」から着手し、精製・分析に展開し生産プロセス全体の研修の実施を目標とする。

　ＢＣＲＥＴは、バイオ医薬品の開発・製造に関連する人材を育成することを目的に、産・学・官の協力のもと、１７年８月に神戸大学統合研究拠点（ポートアイランド）に設立した。１８年度からバイオ医薬品の製造と開発に関する座学と実習の講習を開始した。２３年２月に、三井リンクラボ新木場１（東京都江東区）に新たな専用拠点を設置し、新しいモダリティに関する実習講習にも対応。これまでに製薬、機器や機材、原材料ベンダーなど２００社以上の企業の社員などで、座学講習は１１００人以上、実習講習は３００人以上が受講した。