ENEOSマテリアルは、11月1日納入分からの適用に向けて打ち出していたエラストマー製品の新たな価格フォーミュラの概要を同社ホームページ(HP)で公表した。モノマーやユーティリティーにかかるコストをより実勢に近い算定法で反映させているのがポイント。自助努力では吸収しきれない変動分を価格に転嫁する。9月ごろから顧客への説明を始めており、すでに「大部分の顧客に受け入れられている」(同社)という。

     まず需要減少にともない、自製品の不足を補う外部調達品の割合が減ってきたことから、ブタジエン(BD)で市況連動比率を下げた。スチレンモノマー(SM)とアクリロニトリル(AN)については、それぞれ新たに原料コストを織り込んだ。モノマーメーカーが近年、使用原料の高騰やアジア市況の低迷を受け、原料コストを重視した価格を打ち出してきたことが背景にある。

     ユーティリティーは、これまで便宜的にナフサ価格に基づいていたが、実際に工場で使っている液化天然ガス(LNG)や石炭のコストを反映する式に改めた。低炭素化を図る施策の一環としてLNGの導入を進めてきたことも大きい。

     事業継続と安定供給維持のため、2014年以来となるフォーミュラの見直しに踏み切った。サプライチェーン(SC)全体でのコスト負担分散に理解を求める。
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