2023年第4四半期(10~12月)の国産ナフサ基準価格は1キロリットル当たり7万2800円となった。23年第3四半期に比べて9200円アップとなり、7万円台となるのは22年第4四半期以来だ。秋にかけて原油価格が高騰したことを反映し、跳ね上がった格好。24年第1四半期(1~3月)の価格見通しは中東情勢の動向などによるものの、引き続き7万円台になりそうだ。

     ナフサの輸入価格は入着の約1カ月半前に決まり、その時の為替レートで円換算して算定する。日量100万バーレルの原油の自主減産を8月も続けるとサウジアラビアが表明したほか、ロシアも減産を行うなどし原油需給バランスがタイト化。秋にかけて油価が強含みで推移したことがナフサの価格にも影響した。この間の為替が円安に振れたことも大きい。

     24年第1四半期の国産ナフサ基準価格は油価次第となるものの、今回と同じ水準になる可能性が高い。内需をみても「最悪期を脱した」(市場関係者)との見方が広がってきている。パレスチナとイスラエルの紛争の行方が鍵になるというのが共通認識だ。

     石油化学コンサルタントの柳本浩希氏は「7万円台が定着しつつある」とコメント。一方、24年の見通しについては、中東で新増設の製油所が相次いで立ち上がったことから、「石化向けが戻りにくいなか、モノが余りやすいというのが基調だ」としたうえで、23年同様、「スプレッドがアップダウンする1年になるのではないか」と語った。
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