ADEKAは28日、韓国で先端半導体向け材料の新製造棟を建設すると発表した。全州第三工場(全羅北道完州郡)に建設する初のプラントで、次世代DRAM向け新規材料などを量産する予定。投資額は非開示。完工は2024年9月を予定している。韓国では既存の全州第二工場(同)で増強投資を相次いで実行中だが、次世代材料の量産スペースを先駆けて確保することで、微細化が加速する先端半導体の需要を取り込み続ける構えだ。
韓国子会社「アデカコリアコーポレーション」(ソウル)の全州第三工場に建設する。DRAM向けの高誘電材料などの新規成膜材料をはじめ、次世代ロジックおよびNAND向け材料の生産品目を予定。全州第二工場では最先端の高誘電材料のラインアップ拡充や、24年度中にも能力を倍増させる投資が進行中で、将来生じてくる需要に対する追加投資をするには手狭になっている。このため22年に全州第3工場の土地を取得していた。
ADEKAはDRAM向けでは、前工程におけるALD(電子層堆積法)による最先端の成膜用途に使われる高誘電材料「アデカオルセラ」シリーズで世界トップシェアを占め、ALD用周辺材料も手掛けている。
ロジック向け材料も強化しており、台湾拠点では24年に新プラントが稼働予定。これらALD用材料と、昨夏に千葉工場(千葉県袖ケ浦市)で増産投資もしたEUV(極紫外線)露光用光酸発生剤がADEKAの半導体材料の2本柱だ。これらの開発強化に加え、後工程への事業進出も加速する方針で、埼玉県に新研究所の建設も決定。半導体材料メーカーとして、先端領域の幅広い用途に展開する体制構築が進んでいる。