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  • デンカ、東洋スチレン子会社化 ダイセル保有株取得
  • 2026年3月10日
  •  デンカは9日、持ち分法適用関連会社でポリスチレン(PS)を手がける東洋スチレン(東京都港区)を連結子会社化すると発表した。2026年3月31日付の予定でダイセルが持つ株式15%を買い取り、出資比率を現状の50%から65%に引き上げる。株式取得額は非開示。デンカは先月、内需が減少傾向にあるスチレン関連事業を分社化する方針を公表。自社の事業と東洋スチレンとの一体運営を強化し、生産体制の抜本的見直しなどの構造改革を主体的に推し進める構えだ。

     東洋スチレンはデンカと日鉄ケミカル&マテリアル、ダイセルのPS事業を統合して1998年に設立した。ダイセルの撤退にともない、東洋スチレンの株主構成は株式35%を保有する日鉄ケミカル&マテリアルとの2社出資の体制になる。

     東洋スチレンは五井工場(千葉県市原市)、君津工場(千葉県木更津市)、広畑工場(兵庫県姫路市)の3工場体制で、PSで年33万トンの生産能力を持つ。ダイセルの事業を源流に持つ広畑工場(生産能力年6万トン)は2年後の28年3月末をめどに生産停止して閉鎖する。それまでは東洋スチレンがダイセルに生産を委託し製品の販売を継続する。今後の生産体制や生産能力のあり方は需要動向などを踏まえ検討する。

     デンカは先月27日、スチレン関連事業を27年4月をめどに分社化する方針を発表。デンカが手がける基礎原料のスチレンモノマーやスチレン系機能樹脂・シート、東洋スチレン、100%子会社デンカポリマーのスチレン系食品包装容器といったスチレンチェーン(スチレン系製品群)全体が対象となる。

     PSを巡っては、国内需要の減少と中国などでの増産による競争激化が重なり事業の再構築を迫られている。海洋プラスチック問題やカーボンニュートラルの潮流を受けて、環境負荷の低減と環境に配慮できる技術への転換も急務となる。

     デンカは東洋スチレンの持つPSの製造やリサイクルに関する技術をグループ内に取り込み、事業の競争力強化と環境関連事業の高度化を加速させる方針。原料調達から製品化、リサイクルにいたるバリューチェーンの一体的な最適化や、デンカの千葉工場(千葉県市原市)で24年に稼働したケミカルリサイクル設備の共同運営にも取り組んでいく。
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