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  • 国内石化、非中東産ナフサ手当て インド・アフリカなど
  • 2026年3月23日
     ホルムズ海峡の事実上の封鎖を受け、国内石油化学業界で深刻化していた原料ナフサの調達難に対し、代替調達が進んでいる。中東産ナフサの供給が滞るなか、石化メーカーや商社が調達交渉を急ぎ、インドやアフリカなどからの調達が具体化した。各社で状況は異なるが、早期に設備停止に陥る緊急事態が一段緩和したことが分かった。経済産業省も相手国の関係当局にアプローチするなど官民一体で原料確保にあたり、石化誘導品やさまざまな製造業のサプライチェーンにおける生産活動の維持につなげる。

     国内エチレン設備が使用するナフサは、国内産が4割、中東産が4割、その他の輸入品が2割の構成となっている。ホルムズ海峡が封鎖されたことにともない原料ナフサの調達リスクが高まり、各社が非中東産ナフサを探索。その結果、インドやアフリカ、欧州からの手当てが進んだ。

     石化メーカーや商社などが個社ごとにナフサの調達先を開拓している。しかし、経産省が平時には想定していなかった危機対応モードに入り、情報を共有。調達候補先となる国の窓口や関係当局との調整などを通じ、交渉を支援している。

     ナフサ調達難は払拭されないままだが、エチレン設備の喫緊の操業停止リスクは後退しつつある。早ければ3月末にも操業停止を計画していたエチレン設備保有会社では、計画を見直し、4月下旬まで操業を維持できる可能性が高まったもようだ。

     エチレン設備の原料ナフサの約4割を占める国内製油所からの受給分についても一定の見通しが立った。政府が原油の国家備蓄および民間備蓄の放出を決めたことで製油所の稼働は維持される見込み。石油精製会社と国、石化メーカーの間で、製油所でガソリンや軽油、ジェット燃料、重油、そしてナフサの生産比率を通常時と同じ水準に保ち、ナフサを石化向けに供給することを確認している。国内製油所由来のナフサが当面、操業の下支えとなる。

     ただ、ホルムズ海峡の事実上の封鎖が長期化する懸念はいぜんとして強い。非中東産ナフサはアジア各国が同時に調達を強めていることもあり、どこまで新規調達先を開拓できるかが中期的な焦点となる。定期修理中のエチレン設備では、情勢を見極めて定修後の立ち上げ時期を延長する動きが出ているが、その時期がさらに長引くケースも想定される。

     今後は、国内製油所由来ナフサと非中東産ナフサを組み合わせ、いかに操業を維持できるかが問われる局面に入る。情勢次第では、国内全体でエチレン設備の稼働を継続するため、企業間での連携や調整が不可欠になる可能性もある。
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